2013年2月6日水曜日

偶発的戦争勃発への危険性について

防衛省・自衛隊:大臣臨時会見概要 平成25年2月5日(19時02分~19時13分):

以上は、防衛大臣臨時会見の概要である。


専守防衛とは、戦後の我が国に於ける軍事戦略・・・戦略守勢である。防衛上の必要があっても相手国に先制攻撃を行わず、侵攻してきた敵を自国の領域において防衛力を以って撃退する方針のことを意味する。つまり、明らかに撃たれそうでも撃たれるのをジッと待ち、撃たれた場合でも主に自国の領域内で自衛に必要最低限な範囲でしか反撃しない事になっている。だから、今回の様な事例が幾つ積み上がっても日中が開戦する事態には至らない筈である。


世界史の授業で習ったサラエボ事件では、オーストリア併合に反対する民族主義者の青年に依るオーストリア皇太子夫妻への偶発的な襲撃と云う些細な事件が緊張の極みに達していた欧州に第一次世界大戦を招いた・・・と、されていた筈だった。


だが、この度Wikiでサラエボ事件(1914)を改めて見てみると要出典の状態ながら「セルビア軍の陸軍将校を中心とした秘密組織」の関与が記されていて、ナントナク「仕組まれた感」を感じてしまう。


当時の政界情勢は、モロッコ事件第1次(1905)・第2次(1911))、伊土戦争(1911)、バルカン戦争第1次(1912)・第2次(1913))等々で西欧列強諸国(イギリス・フランス・スペイン・イタリア・ドイツ等々)が鉱物資源が豊富で戦略上交易上の要衝であった地域で勢力争いを繰り広げた頃で、各国の緊張状態が極限に達した際に起きた偶発的な事件をキッカケに、必然的に起こるべくしてヨーロッパ全土を巻き込む第一次世界大戦に突入していったのだろう。


尖閣諸島も又、モロッコ(リン鉱石は埋蔵量世界一・天然ガス)やトルコ(石炭・石油・天然ガス・マグネシウム等各鉱物)と同じように原油がイラクの埋蔵量に匹敵する大量の原油が埋蔵していると予測されていて、中国が太平洋に進出する際の足掛かりとしても台湾との近さも含め戦略上の要衝でもあり緊張を高めている。中国は1971年から領有権を主張し始めている。


その後、1978年日本記者クラブでの当時の中国副首相であった鄧小平氏が記者会見で話した棚上げ論・・・「我々世代の人間は知恵が足りないので、尖閣問題を解決させる事が出来ない。次の世代の人間は、もっと賢くなるだろうから、その時には必ずお互いが受け入れられる良い方法が見つかるだろう。その為に、一時棚投げ・・・10年棚上げしても構わない」と語ったのだそうだ。この鄧小平氏の外交手法は「能力を隠して時機を待て」と云う中国の格言に沿うモノだったそうだ。中国もその後、急速に国力を向上させGDP世界第2位の経済大国となり、世界最大の軍事費の伸び(過去10年で4倍)をみせ世界第2位の軍事費大国となった。1978年当時には軍事力では勝ち目がなかった日本にも勝ち目が見え始めた代替わりした中国指導部も強硬姿勢をみせるようになってきた。


この日中の国際紛争は起きるべくして起きている・・・と思う。


そして、現在の安倍晋三総理の祖父岸信介氏が、戦時内閣(東條内閣)の国務大臣(であり、戦後はA級戦犯容疑者として逮捕されるが、不起訴となり公職追放された)だった事、戦前は対中強行派であり戦中は日米和平に尽力し戦後は5回も総理に任命された吉田茂は麻生太郎の祖父である事などを、国外の知識人は注視していて、安倍総理を国粋主義者として対中強行策をエスカレートさせるのではと指摘されている。


このまま中国の経済発展が進み中国の軍事大国化が進めば、虎の威を借る狐である我が国は米国の極東アジアに於ける軍事バランスの劣化で力を失い、そう遠くない将来には中国軍に完敗してしまうだろうから、米国が弱体化せず中国軍の装備が前時代的である今の内に中国を完膚無く叩いておくべきだと云う日本の極右層は考えている様だ。


当の中国も、今開戦すれば中国軍は負ける(日本には快勝するが、安保に基づき米国が参戦すれば短期間で完敗する)と分析していて、10年後20年後には必ず勝利すると爪を研いでいるのだろう。だが、10年後20年後には、日本より深刻に進む少子高齢化が中国経済を蝕み始め世界トップクラスの軍事費の支出が難しくなるので、国内事情にオバマが苦戦している今の内に専守防衛に手足をもがれた日本を叩き潰し米国参戦前に和平交渉を開始してしまえば第二次世界大戦の仇は討て、沖縄の割譲も含めて多くの利権を獲得する事が出来るだろうとする向きもあるそうだ。


日本も、中国も、勿論米国も、国家として開戦を望んではいないだろうが、開戦の欲望に燃えた日中の軍人同士が東シナ海で対峙したら・・・、サラエボ事件の様に偶発的に戦端が開いてしまうのカモ知れない。なにしろFCレーダー照射は事実上の攻撃予告であるからだ。


冒頭に書いた通り、我が国自衛隊は専守防衛なので自艦での反撃の決定は出来ないだろうから市ヶ谷にお伺いを立てて交戦許可を得ている間に交戦不能に陥る筈なのだが、今回のFCレーダー照射を受け中国海軍フリーゲート艦のFCレーダーの解析は終わっている筈なので、専守防衛に相応しい電子戦は可能となるカモ知れない。まさか専守防衛とは黙って撃たれろでは無い筈なので、電子防御(防御としての電子戦)以外にも、敵方の兵器にしか影響を与えない能動的電子攻撃(EMPやジャミングやレーダー欺瞞)も許可されるカモ知れない。




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