2013年5月26日日曜日

憲法改正論議

安倍政権を評価している私だが、憲法96条改正論議には少々肯けない処がある。

日本国憲法
第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


憲法擁護の義務を負っているのは「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」であり、我々国民では無いのだ。「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」は憲法全体を尊重し擁護する義務を負っていて、例外的に第96条は尊重し擁護する義務を免れている訳ではないのだろう。

今回の憲法改正への安倍政権の動きが、民意の反映に依るモノならナンの問題もないのだろう。そうして・・・

第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

安倍政権が目指しているのは、「衆院参院の三分の二以上の賛成」を「衆院参院の過半数の賛成」に引き下げ、国民投票に至る道筋を開かれやすくする事だ。今まで我が国で憲法改正が行われてこなかったが、先の民主党政権のやり口を見ていると「衆院参院の過半数の賛成」の発議で憲法改正への道筋が開くとすれば・・・政権交代の度に憲法改正が行われそうな危険性を孕んでいるのカモ知れない。

私自身は制定から66年も経った日本国憲法を現在の日本を取り巻く環境に合わせた形にアップデートする必要性は充分に感じている。憲法は、憲法を尊重し擁護する義務を負う「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」を動かす基本命令であるから、それこそ国民の総意としての基本命令を整備する時間と手間を充分に確保し、国民が自由に議論に参加する形で国民主体の憲法改正案を形とすべく憲法審査会乃至は、それに代わる機関が機能して国民主体の改正原案を整備すべきだろう・・・と思う。

そう云った意味合いに於いて、憲法改正は喫緊の課題だが急ぐべきではないと思うのだ。

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