2013年7月23日火曜日

原発推進派ではなく・・・

過去の言説(ブログ記事内容)から原発推進派だと思われているらしいが、私は原発推進派では無い。

今日の技術レベルに在る我々地球人類にとって原子力発電所は必要悪だと思っている。つまり、核分裂炉に頼らず無理なく人類全体に充分な供給が出来る・・・生物と地球環境に優しいエネルギーが将来的に出来るとしたら素晴らしいと思うけど現段階ではどんなに冷静に考えても原子力発電に頼らざるを得ない・・・と思っている。

我が国の原発反対論者の方は、2つの重要な事をワザと見落としていると思う。

1つ目は、20世紀末から一部の先進国と呼ばれる国々でエネルギーや工業化生産拠点を独占してきたが、今日では発展途上国と呼ばれる国々へ生産拠点が移り伴って先進国並みに要求エネルギー水準が上がり先進国並みのエネルギー需要が必要となりつつあり、そして、これからは後進国と呼ばれた国々でも要求エネルギー水準が先進国並みに上昇していく事になる。増え続ける地球人口を支える食料生産に限っても、もはや発展途上国や後進国と呼ばれる国々の機械化に頼らない古い形の農業生産では支えきれず機械化農業を行う為には全地球規模でのエネルギー需要はうなぎ登りとなるだろう。

2つ目は、今後我々日本人が恐怖すべき原発事故の脅威は、今後我が国が原発から卒業するか否かに関わらず全地球規模で普遍的に発生する危険性が有り、それは我が国が原発から卒業するか否かは殆ど影響を及ぼさないと云う事だ。全地球規模で急激に増えるエネルギー需要を満たす手段として新たな油田開発もシェールガスもメタンハイドレートも藻類に依る代替油生産も焼け石に水でしかなく一部の国々が独占してきた原子力発電所を全地球規模で増設していく以外の方法を当面は選択する事は出来ない。そして、熱核反応炉を科学的技術的に進化させていかないと廃炉に伴う高エネルギー廃棄物の処理を自らで行う事が出来ないのだ。

平時の核廃棄物の要保管基準であった100Bq/Kgが食品の安全基準と置き換わったと「福島の農作物は放射性廃棄物」だと扇情的なプロパガンダを繰り返して当選したタレント議員さんに何人かのキャスターが「原発のない日本の未来像」を尋ねていたが、明確なビジョンも持たずシュプレヒコールを繰り返す左派ポピュリストに過ぎないとの実態を暴いたに過ぎなかった。

レベル7(最悪レベル)事故として、1987年チェルノブイリ原発事故に次ぐ2011年3月11日の震災に依って発生した福島第一原発事故を起こした我が国が主張するのは烏滸がましい限りだが、全地球規模での原子力事故の撲滅の為に科学水準技術水準を維持し続け全世界に事故を起こさない原発を普及させる義務もあろうと思うのだ。レベル5のスリーマイル島原発事故を含め地球上では実は無数の原子力事故が発生していて多くの人命が失われているのだ。

過去記事にも書いたが、我が国日本が脱原発を果たしたとしても我が国を脅かす原発リスクが無くなる訳では断じて無い。原子力技術の発展を担う原子力村の極一部の優良種を育む耕作地としての商業原発の存在は必要悪だと割り切り、より安全な原発開発を目指して科学技術を進歩させ原子力技術の進歩で世界が再び原子力事故で損なわれる事を防ぐ事も、レベル7の原発事故を起こした我が国の使命なのカモ知れない。

太陽光発電と風力発電で全世界のエネルギー需要を満たす等と夢を見ても仕方が無い。何れにしろ、今世紀末時点では全世界で必要とされるエネルギーの約半分は核分裂炉で担っていて、一部が核融合炉に置き換わりつつある筈だ。今世紀末時点での自然エネルギーの比率は約50%位だろうか?(自然エネルギーとは云え、海洋発電や潮流発電や深地熱発電と云った自然環境を大きく損なう大規模な発電施設になる事は疑う余地もないが・・・)望まぬとは云え、その現実的な未来像を前に原子力技術の進歩から取り残される途を、自由貿易を拒否して経済的鎖国をする途を選ぶ事が、将来の我が国の国益になると扇動する左派ポピュリストに騙されてはならない。「自分達は決して責任を負わないという前提でコストを考えずに『弱者』の味方を演じる野党ビジネス」を止めた本格野党の登場に期待するしか無いのだろう。

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