2014年11月1日土曜日

地震予知の「串田氏」M7~8の地震が来年2月中旬に近畿で発生とテレビで発表

地震予知の「串田氏」M7~8の地震が来年2月中旬に近畿で発生とテレビで発表|面白ニュース 秒刊SUNDAY:



狼少年に準えられる串田氏の心境を慮ればアレだけど、それでも狼は来ない方が良いだろう。そもそも串田氏の地震予知の理論と云うのが、地中で花崗岩が地圧を受け圧縮された際に起電し電磁波が発生する、それを捉えて地震予知を行おうと云うモノだ。



花崗岩に含まれる石英には圧電効果が知られていて、例えば、1cm片の石英立方体に正確に2kN(500lbf)の荷重をかけると12,500Vの電圧が生ずるのだ。



材料力学・破壊力学的アプローチによる岩石破砕時の電磁波発生機構の調査



地中の花崗岩が、強く、広範囲に、速く、圧電効果がある物質が圧縮力を受けると電気が発生し伴って電磁波を発生する事は疑う余地は無い事実だと思う。その電磁波に因ってFM(ラジオ?の周波数:VHF帯)の電波伝搬に影響を及ぼしている・・・と云う串田氏が根拠になさっているタネと仕掛けは科学的に正しいのだと思う。
























兵庫県南部地震と関連する電波放射 でも明らかにされた通り、電波放射と断層破壊地震は直接関連がある事は間違い無いと思われる。

だが、VHF帯の電波伝搬に異常が見出されるから地震が起きるとは限らない。地震の前にVHF帯の電波伝搬に異常が見出されたと云う事が100%例外の無い事実であったとしても、VHF帯の電波伝搬に異常が見出されるから地震が起きるとは限らない。これって科学(的思考)では当たり前の事なのだけど、科学(的思考)の癖がついていない一般人は、良く注意しないと似而非科学に搦め捕られる事に成る。

演繹(えんえき、英: deduction)は、一般的・普遍的な前提から、より個別的・特殊的な結論を得る推論方法である。対義語は帰納。帰納の導出関係は蓋然的に正しいのみだが、演繹の導出関係は前提を認めるなら絶対的、必然的に正しい。したがって実際上は、前提が間違っていたり適切でない前提が用いられれば、誤った結論が導き出されることがある。近代的には、演繹法とは記号論理学によって記述できる論法の事を指す。(Wikiペディアより)

# 尚、誤解の無い様に申し添えるが、串田氏の理論を似而非科学とは考えていないので念の為。

VHF帯の電波伝搬異常の原因だが、基本的に直接波しか伝搬しない筈のVHF帯だがスポラディックE層での上空波(電離層反射波)伝搬が知られている。

スポラディックE層(スポラディックイーそう、Es層、略称EスポまたはEs、英語:Sporadic E layer)とは春から夏ごろにかけて、主に昼間に上空約100km付近に局地的に突発的(スポラディック)に発生する特殊な電離層(Wikiペディアより)

他にも、大気圏内に気温差等で電波屈折率の違う層が生じると屈折面の不連続面同士で反射・屈折を繰り返して見通し距離を遙かに超える異常伝搬を起こす事(ラジオ・ダクト)、他にも、流星反射波(大気圏上層を通過する流星雨が発するプラズマに因る異常伝搬)や、山岳反射波、航空機反射波、人工衛星反射波等の異常伝搬が知られている。 (現に、我々アマチュア無線家は、これらの異常伝搬を使ってVHF帯のみならず、UHFや更にSHF帯での異常伝搬を意図的に狙って見通し距離を遙かに超える通信を行い自己満足に浸っている。因みに、我が家にも・・・長らくリグには火が入っていないモノの2.4 GHz帯パラボラには方位角のみならず仰角ローテーターも付いていてFO-29やISS等の人工衛星を追尾させる事も出来る)

発信源が明らかな有意味信号の伝搬異常は以上の通りだが、自然界に存在するVHF帯の電波源もあるので、注意が必要だ。例えば、木星電波と俗に呼ばれている系内惑星からのVHF〜UHFの電波や、オーロラが発するVLFやLFの高調波を受信したりする場合もある。又、人工電波亜・自然電波を問わず低調波・高調波等が絡むと局発混信と云う技術的な問題も発生するので、更に話は複雑となる。

兎に角、地震の前にVHF帯の電波伝搬に異常が見出されたと云う事が100%例外の無い事実であったとしても、VHF帯の電波伝搬に異常が見出されるから、地震が起きるとは限らないのだ。だから・・・(?)、私は「M7~8の地震が来年2月中旬に近畿で発生」しないと思う。遠くない将来、電波観測・電波伝搬観測が地震予知の重要なファクターになる事は間違い無いだろうが、今時点の知見の集積では精度の高い地震予知が出来る状態では無い・・・と思うのだ。

狼が来るぞ!と叫び続けていれば、いつかは本当に狼が来るのカモ知れないが・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿