2015年2月19日木曜日

南海地震・・・

南海・東南海・東海連動巨大地震への予言が彼方此方で囁かれているらしい。万年ネタ不足に悩む拙ブログは、巨大地震ネタを何度か使ってきたからか巨大地震予言系へのお尋ねメールが舞い込む事になる。だが、しかし、私には予言能力は無いし、世の中の予言が出来る方々の予言の真偽を判断する材料も持ち合わせないので、私如きに尋ねても無意味だと思う。

年齢が2000万年と云う海洋プレートの中では若いフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでいるプレート境界型地震と、若いからプレートが薄く比較的高温なのでプレート境界での固着が起きやすくプレートが薄いので割れて分かれやすいスプレー断層型地震を同時の発生させるとも云われていて、GNSS連続観測システム(電子基準点観測網)のデータでは東海沖・南海沖の広範囲でプレート間固着に起因する滑り遅れが確認されていて、比較的固着が強いので発生する地震力も大きいと予想されている。色々な大人の事情で、この南海・東南海・東海連動巨大地震への対策が急務だと東海地震だけで「地震ムラ」を築いた人々の後継者の皆さんに依って巻き返しがなされようとしている。

政府は30年以内の発生確率を87%と示しているので、悩むのなら、それを鵜呑みにし自分と家族の命を守る準備を怠らない事に勝る対策はないだろう。


そもそも、巨大地震予言系で影響を受ける方は(申し訳ない書き方だが)不安を満喫したいと思って居られるのだろうから、「今日の科学レベルでは(科学的に証明された)地震予知手段は無い」とか「(有料サイトを含め)地震の予知への確度は非常に低い」と云う私如き素人の戯言は受け容れられないのだろう。


日本政府による30年以内の発生確率を87%とした大きな根拠は、統計に依るものらしい。

・684年 :     白鳳地震(連動)  東海から西海にかけて
・887年 :203年後:仁和地震(連動)  東海から東南海・南海
・1096年:209年後:文治地震(連動)  東海から東南海・南海
・1361年:265年後:正平地震(連動)  東南海・南海
・1498年:137年後:明応地震(連動)  東海から南海
・1586年:88年後 :天正地震(連動)  北陸から関東、東海・東南海・南海
・1605年:19年後 :慶長地震(連動)  北陸から関東、東海・東南海・南海
・1707年:102年後:宝永地震(連動)   関東から東海・東南海・南海
・1854年:147年後:安政地震(連動)  関東から東海・東南海・南海
・1944年:90年後:昭和東南海地震(単体)東南海
・1946年: 2年後:昭和南海地震(単体) 南海

この10回程のパターンでは100〜200毎に発生しているので、1944年の東南海地震(単体)から72年経過、1854年の安政地震(連動)からは161年経過している事になる。だから、30年以内の発生確率が87%だと云う訳なのだろう。



こんなマイクロプレート同士が、次の図の様に動いているのだそうだ。



因みに南海・東南海地震の発生メカニズムが出来たのは1500万年前頃で、元々は北海道より北にあった中央構造線より北側の・・・西日本北側(関西地方北部・中国地方・九州の北半分)が、台湾より南にあった西日本南側(関西地方南部・四国地方の大部分・九州の南半分)と列車同士がすれ違うようにスライドし始めた頃である。

勿論、この動きは今も続いている。西日本北側は時計回りに、西日本南側半時計回りにスライドし続けているので50万年後には西日本は中央構造線で九州から南北に裂け始めているだろう。富士山の大噴火を経て500万年先にはストッパーとして機能していた伊豆半島が遂に崩れ太平洋プレートがフィリピン海プレートに乗り上げ、東京は海中に没して消滅していて、北海道の東側は石狩支庁で分断されユーラシア大陸に接し、日本列島全体が腰が伸びて真っ直ぐになっているらしい。1500万年後には元々の東京の乗ったプレートが名古屋の地下に達していて日本アルプスは4000m超級の大山脈になっているだろう。

この日本列島を取り巻くプレートの動きが引き起こすのが南海・東南海・東海地震なのだが、次回も、その次にも、その次にも、そのまた次にも、必ず発生する事は疑いようのない事実だろうが、次はいつ発生するかは神様しか判らない。こうした動きが徐々に起きる間に、3.11東日本大震災規模を上回る地震が何度も何度も日本列島全体を襲うのだろう。そんな巨大地震に、ケシ粒以下の我々人類が対抗しようと云う事が間違っている。地震に負けない都市を築く施策よりも、地震が起きても生き延びる施策にこそ人の英知と国力を注ぐべきなのだと思う。

30年以内ならば災害は忘れる前にやってくるのカモ知れない。それならば、無理の無い範囲で自らの家族の命を守る為に、できる事から少しずつ私達も準備し続ける事に勝る対策は無いのだと思う。当に「備えよ、常に」である。無理の無い範囲で少しずつ備え続けていく間に、昨日より今日、今日より明日の方が自分と家族が生き残る確率が徐々に上がっていく・・・そんな備え方だ。

地震への備えとはは、被災後の生活必需品を買い溜める事ではない。何よりも、被災の瞬間を生き残る事こそが地震への備えである。死んでしまえば備蓄した生活必需品は無駄に終わるのだ。防災グッズを買い漁るよりも家具を固定し危険物の飛散を防ぐ方が、正しい地震への備えなのだ。備蓄した食料を持って通勤通学するよりも、通勤通学買い物の合間に被災した時の事を考えて自らの命を長らえさせる工夫を常日頃から考えておくべきだ。走っている電車の中で緊急地震速報を聞いたら・・・、脱線転覆に備えてつり革や手すりに確実に掴まるか、姿勢を低くしカバンやバック無ければ腕で頭部を庇う安全姿勢を試みるべきだろう。ショッピングセンターなら・・・、自宅の風呂場なら・・・、近所のコンビニの中なら・・・、ビル街の歩道なら・・・、その時々に何をドウするか事前に考えておくだけでも命を守る行動がとれる可能性が高くなる筈だ。(勿論、被災後の生活必需品を買うなと云うツモリは毛頭無い。備蓄も大事だが、それよりも生き残る事が大事だ)








# 話は大きく脱線するがけど・・・やはり岡山県の吉備高原都市は日本列島で最も安心安全な場所なのだと思う。日本政府による首都機能移転候補都市は、「栃木・福島地域」「岐阜・愛知地域」「三重・畿央地域」の3カ所らしいが、地質年代的スパンで見ても安心安全な吉備高原都市も名乗りを挙げれば良いのに・・・

# 尚、岡山市は・・・市の大半が津波や洪水への危惧があり、洪積平野なので断層は見つかっていない(至る処で内陸地震の危険がある)ので、防災上優れているとは言い難いので念の為。




2015年2月6日金曜日

重力波の痕跡

東京新聞:「重力波の痕跡」は誤り 銀河のちり影響 米の研究を否定:社会(TOKYO Web):



アインシュタインの一般相対性理論の中で発表された「重力レンズ効果」は、「光は重力にひきつけられて曲がるわけではなく、重い物体によって歪められた時空を進むために曲がる」のだが、その重い物体が高速度で移動する事で、その歪められた時空が波として伝搬していく事を重力波と呼ばれている。

重力波が存在する証拠として、連星パルサーの軌道周期が徐々に短くなっていることから、重力波としてエネルギーが外に持ち出されているからだとし、その周期減少率が一般相対性理論の予言値に誤差範囲内で一致したから、間接的な証明として学会で支持され、1993年にジョゼフ・テイラーとラッセル・ハルスはノーベル物理学賞を受賞している。

但し、球対称や円筒対称では、相互に打ち消されてしまうので、非球対称な超新星爆発(銀河系内で100年に1度レベル)か、中性子星等の非常に重い星の非球対称振動や、インフレーション宇宙モデルに於ける初期宇宙形成時の痕跡等々が今日レベルの観測装置で観測可能な事象とされているが、超重量天体同士の連星系・・・に限らず、我々の太陽系内の惑星からも、放出されている筈・・・ではある。

昨年3月ハーバード大学やカリフォルニア. 工科大学などが中心となるBICEP2グループが、南極点から約800m離れた観測施設で、宇宙マイクロ波背景放射として知られる天球上の全方向からほぼ等方的に観測されるマイクロ波の偏波面(電波の振動方向の偏り具合)を精密に観測する事で、原始宇宙誕生時の原始重力波の影響を受けたと予想される偏波面の偏りが発見されたと発表されていた。(尚、施設は感度を6倍に上昇させた観測装置への入替の為にリニューアル中であった。更に、今後は観測精度を向上させる計画が長期間計画されている)

引用記事にあった通り、偏波面の偏りとして得られた特殊なパターンが、銀河のちりの影響である事が間違いないと結論がでた。原始重力波に依って宇宙マイクロ波背景放射の偏波がなされた証拠は見つかっていなかったと云う事。

だが、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の例で分かる通り、多くのスポンサーと巨額の資金を得て動き始めた超巨大プロジェクトには、慣性の法則が働き、もはや止める事ができないのだ。

因みに我が国でも、岐阜県の神岡鉱山に世界初の大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」が完成を目指している。完成すれば世界最高精度のレーザー干渉計となるが、実用レベルとする為に10倍に感度を上昇させる為に施設改修を繰り返していく事になっている。

・・・

勿論、私の如き素人が重力波の存在を争う気は無いのだが、そもそも一般相対性理論の予言値だけ重力波が放射されている事を疑わないままで大型重力波望遠鏡の検出精度を各国で競い合う巨大ハードウエア競争に明け暮れるのは、重力波村を形成しようと目論んでいると云う暴挙とも思えてしまう。

1993年ノーベル物理学賞に至った観測値が正しくとも、連星パルサーの準ケプラー運動のエネルギーを外部に放出し続けているとされる重力波は、我々に観測できる次元の時空の歪みだけでは無いと云う可能性を何故疑わないのだろうか?

ここをワザと見落とした事にして年々歳々施設拡充を続けていく大型ハドロン衝突型加速器と同じ事を、理論物理学進歩の方便に使っているのでは無いか?と思ってしまった。

勿論、超高精度な大型レーザー干渉計施設が発見する可能性が高い事象は重力波以外にもあるので、大型ハドロン衝突型加速器同様に全人類へ徒なす浪費と糾弾するツモリは無いが、今日レベルの精度では歴史的大発見には至らず大型ハドロン衝突型加速器同様に、大発見への予告編を毎年更新していくだけとなるだろう。

もしも、今日レベルの科学力で原始重力波の検出を目論むのなら1辺1Kmとか3Kmとかのミクロな物差しで測るのではなく、人工衛星レベルで1辺数百万Kmクラスのレーザー干渉計を使うべきだし、マジで近傍連星からの重力波を検出するツモリなら地球の公転軌道への複数の人工惑星を投入するレベルでの観測体制が必要な筈だ。