2015年3月14日土曜日

サウナに入る回数が多い人ほど死亡率が低い

Association Between Sauna Bathing and Fatal Cardiovascular and All-Cause Mortality Events
(サウナに入る回数が多い人ほど心血管死だけでなく総死亡率が低い)JAMAインターンメッド誌

予てから私は水風呂好きである。「予てから」と前置きしたのは2年前に心筋梗塞を経験しているからだ。術後も、主治医には水風呂(サウナと水風呂・熱風呂と水風呂)復帰はいつになるのかと真っ先に聞いた程に水風呂好きである。因みに、水風呂復帰が許可されたのは術後7ヶ月後の検診で、痛み等の違和感があれば受診すると云う条件付きで許可された。その際に、画像診断動画を見せられて梗塞部分は心筋の復活も悪いので無理は禁物と脅されたが「水風呂に入れないで生き存えるよりも水風呂に入って死にたい」と名言を曰った。

自宅を建てた20年前には水風呂に入る習慣が無かったのだが、その後に始めたRVキャンプで温泉施設に行く機会が増えたので俄然水風呂の魅力に取り憑かれてしまった。今、自宅リフォームの一番希望は浴室であり、水風呂用と普通の浴槽を並べたダブル浴槽風呂にしていと思っている。妻子はシャワーで済ます夏場には、自宅でも念願の水風呂を満喫している。

術後2年半となった先の検診でも、梗塞部の心筋の復活は遅れ気味なのだそうだ。心臓に負担を掛けない様にヒートショック等に気を付けてと念押しされたが、手術を担当した主治医(榊原病院から高松赤十字病院へ御栄転なさった様だが)には熱風呂・水風呂往復もサウナ・水風呂往復の許可を貰っていて機会さえ在れば水風呂にセッセと入っていると応えると、新たに担当となった若い医師からはリスクを高めるサウナ浴や高温浴、その後の水風呂を止める様に翻意を促して下さった。


以前から健常者のサウナ浴が血管力学的な機能を高める事は知られていたが、心血管死亡へのリスクは報告されていた。私自身も命を削ってサウナや熱風呂からの水風呂に入るツモリで臨んできたのだが、フィンランドEastern Finland大学のTanjaniina Laukkanen氏らが、JAMA Internal Medicine誌電子版へ2015年2月23日に掲載した記事では、サウナ利用回数が週に1回の人と比べ、より頻繁にサウナを利用する人では、心臓突然死、致死的冠疾患、心血管死亡、総死亡のリスクが全て有意に低いことが、前向きコホート研究から明らかになったのだそうだ。この研究は、サウナ好きで知られるフィンランド人の中でのヘビーサウナ好き達と普通サウナ好き達とでアテローム性心血管疾患リスクの予測因子の同定を目的に実施されたものだ。報告は冒初URLのサイトをGoogle翻訳に丸投げなさる事をお薦めするが、要は、「頻繁なサウナ入浴は、心臓突然死、致死的冠疾患、心血管死亡、総死亡のリスク低下と関係していた」と書かれている。



私はサウナ大好き(その後の水風呂はもっと好き)だが、頻繁なサウナ入浴が心臓突然死、致死的冠疾患、心血管死亡、総死亡のリスクを下げる機序とは、ヒートショックプロテインなのカモ知れない。(私の場合、サウナ浴や熱風呂後の水風呂で、非日常的開放感を堪能する事が精神面に作用するのも加えたい。尚、水風呂に入る最大の理由は、サウナや熱風呂に早く再び入る為だ。カバじゃないので水浴びだけを純粋に愉しんでいる訳ではない)



日本でも温熱療法と呼ばれる代替医療手段が知られている。この手の代替療法にありがちな似而非科学的な機序が書かれている。Wiki温熱療法からの引用でも・・・「経絡 - 気の流れ(経絡)には「ツボ」があり、そのツボから気が出入りすると考えられる。ところが、そのツボを中心に気の流れがとどこおり病気になる。熱刺激によって気の流れをスムーズにするのが治療目的である。」とか「リンパ系 - 脈管系には動脈・静脈・リンパ管が存在し、身体の中に流れる液体成分は全てこれらの脈管系を流れる。動脈を上水道、静脈を下水道に見立てれば、リンパ管は下水道の手前の「排水溝」に例えることができる。この排水溝を熱刺激できれいにするのが目的である。」「血管系 - 熱刺激によって動脈も静脈も拡張する。拡張すれば血流が増加し循環がよくなる。循環の悪い状態を瘀血(おけつ)状態と呼ぶが、血管拡張作用によってこの瘀血が改善される。」等々が紹介されているが、良く出来た「代替医療に対する似而非科学的説明」である。良く出来たと評すると代替医療否定派の方々に怒られてしまうカモ知れないが、良く出来たと評した意味は、機序に対する何の説明にもなっていないにも関わらず科学的な説明を受けた気分にしてくれるからだ。だが、温熱療法を受けて健康を取り戻したと思っている人は少なからず存在すると思っている。似而非科学で修飾された代替医療でも、プラセボの後押しがあったとしても、それ以上の何かが有るのカモ知れない。ヒートショックプロテインは、バクテリアから哺乳類まで、この地球上のあらゆる生物が内包している仕組みである。



発見された由来(ショウジョウバエの幼虫を高温にさらすとある特定のタンパク質が素早く発現上昇する)からヒートショック(熱ショック)タンパク質と名付けられたが、実際はタンパク質が、そのタンパク質としての機能を発揮する為にはフォールディングと呼ばれる特定の立体構造に折りたたまれる必要があるのだが、その構造を補助し支える分子シャペロンとして機能しているのがヒートショックプロテインである。


タンパク質のフォールディングが熱によって変性を受けた場合に、そのフォールディング構造を復元させる為にタンパク質の折り畳みを制御する為に出現してくるのだ。研究によると熱変性に限らず細菌感染や炎症、エタノール、活性酸素、重金属、紫外線、飢餓、低酸素状態等々の細胞に対する様々なストレスにより発現し、タンパク質のフォールディング構造を制御しているらしい事が判明している。心筋細胞や中枢神経細胞と云った再生しない細胞も、細胞内のタンパク質レベルでは日夜新陳代謝が行われているが、重要なタンパク質の高度な3次元構造であるフォールディングを修復及びタンパク質変性の抑制機能を有していて、修復が困難な場合は分解を担う酵素に引き渡す働きをしている。牛海綿状脳症(BSE)アルツハイマー病も生化学的な病理は、タンパク質のミスフォールディング(折りたたみ異常)がもたらす疾患だと判明している。

そもそも、mRNAの情報に基づいてタンパク質を合成された生まれたての新生タンパク質は、3次元構造的には非常に不安定(様々な構造を自由に取り得る)なのだが、ヒートショックプロテインが分子シャペロンとして新生タンパク質に取り憑く事で正しい3次元構造へと折り畳まれていくのだが、熱や細菌感染や炎症、エタノール、活性酸素、重金属、紫外線、飢餓、低酸素状態等々の細胞に対する様々なストレスによりタンパク質の3次元構造である折り畳みは変性を受けてしまうのだろう、それを修復し、変性を食い止める働きをしている訳だ。

で、温熱療法の機序とすれば、超音波や超短波電磁波に因るモノは体内の照射部位から、温灸や赤外線ライト照射では当該部位体表から、風呂やサウナ浴では全身の体表面から、熱ショック因子が細胞内で活性化し細胞単位でヒートショックプロテインが活性化しミスフォールディング(折りたたみ異常)を起こしたタンパク質を修復し始める訳だ。基本的に、この現象は細胞単位で起きるのだが、細胞同士が情報伝達に使っているオスモライトの中には熱ショック因子が細胞内で活性化した事を外部の細胞に伝達する機能を持つ物質を放出する事で、全身の細胞へ、一部の細胞が変性を受けて修復状態に有る事を伝達され
全身の細胞でもヒートショックプロテインの活性度が高まり、熱変性の影響を受けていない細胞でもタンパク質の修復が促進される・・・となるのだと思う。


まるで、風が吹くと桶屋が儲かる的な・・・回りくどい話だが、なかなか心不全指数が好転しない私だが、ヒートショックプロテインの活性化を図るツモリで、サウナや熱風呂からの水風呂をセッセと往復させて頂く事にしようと思う。


こうして今日も稲荷山健康センターで、サウナ浴6分からの水風呂1分を5回、漢方勵明薬湯5分からの水風呂1分を5回、その後、漢方勵明薬湯5分からの自然冷却5分を3回してザッとシャワーを浴びて出ると云う150分コースを満喫した次第だが、今日は体調が悪かったのか・・・水風呂後の薬湯で心臓がドキドキして軽い眩暈を感じたが・・・いやいや健康の為に通っているのだから「命なくても先ず健康!」である。

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