2015年6月23日火曜日

昨日の記事で、墓穴を踏んでしまった。

※ 尚、「墓穴を踏む」とは、「墓穴を掘る」と「ドジ(土地)を踏む」からの新迷語

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」では無いけれど、「一点の曇りなく清く正しく美しいモノしか許せない日本人」が増えてきたのだと思う。過去、別ブログでのホメオパシーネタでも、日本に於ける似而非科学としてのホメオパシー療法に対する義憤からインターネッツ・ピープルの怒りを買ってしまった。コメント欄に反対意見を書いてくれるダケなら閑古鳥が鳴く拙別ブログの賑やかしにはなるだろうけど、別ブログの仕様であるブログのURL内にメールアドレスのユーザー名が含まれる仕様だから・・・コメント欄ではなく直接怒りメールを延々と送って来られる粘着質な方が複数居られて本当に参った。
別ブログ過去記事「作用機序不明 2011-01-26 20:58:43

ホメオパシーネタは、似而非科学を批判する側も同じく似而非科学の呪いに囚われて科学的な思考が妨げられる事が多々在ると云う例を小出しにしたかったダケだったのだが、悪であるホメオパシーに条件反射的に反応する方々が多かった訳だ。

ホメオパシーネタ程では無いにしろ、FDA(アメリカ食品医薬品局)が危険だから3年以内に全廃すると決めたマーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸は、日本でも全廃すべきだと考える「一点の曇りなく清く正しく美しいモノしか許せない日本人」は多い様で再びお叱りを受けてしまった。

誤解の無い様に書いておくが、私はトランス脂肪酸が人畜無害だと思っている訳では無い。他の脂肪酸以上に人の健康を損ねる有害物質なのだろうと思う。だが、健康維持に絶対に不可欠な栄養分だとしても、過剰摂取しても人体に悪影響を及ぼさない飲食物や薬品は存在しない。逆に、毒物として知られている物質でも、極少量なら健康維持に役に立っている例も枚挙に暇無い。

トランス脂肪酸でネット検索をかけてみれば、トランス脂肪酸の摂取を減らす為の製品や、摂取してしまったトランス脂肪酸の害悪から人体の健康を守る製品がドンドン検索されてくる。大手の食品メーカーも如何にしてトランス脂肪酸の含有量を減らすべく努力を続けているかを表明し、某流通大手はトランス脂肪酸を含む食品を扱わない宣言までしてのけた。もはや全世界でトランス脂肪酸は害悪以外の何物でもない訳だ。

「マーガリンに多く含まれるトランス脂肪酸は自然界には存在しない化学的に作られた化合物であり、食用油で作ったプラスチックだ。ある種の油脂分解微生物にトランス脂肪酸を与えたら全滅した例もあり、カビが生えない為に使用した食品の消費期限を延長させる事ができるので食品メーカーが積極的に採用している。危険な『狂った油』である」と云う説明が、健康維持を気遣うインターネッツ・ピープルの常識となっている。

我が国として対応は、健康増進・健康維持の為に、消費者自分自身の自己管理・自己防衛の助けとなるべく食品に含まれるトランス脂肪酸の量を表示する努力義務を課す程度ならいざ知らず、一足飛びに全廃を願うとは・・・「一点の曇りなく清く正しく美しいモノしか許せない日本人」似而非科学的思考にはホトホト呆れてしまう。

そもそも「トランス脂肪酸は自然界には存在しない」と云う前提が既に似而非科学なのだ。昨日の記事で例示した「我々が乳や肉を食用に供している反芻動物(牛・ヤギ・羊・鹿・ヌー・ラマ)」の脂肪にも相当量含まれるし、家庭の台所で食用油を加熱する調理過程でも相当量発生していて、食品メーカーから出荷される段階で含まれていたトランス脂肪酸の量よりも、恐らく摂取しているトランス脂肪酸の量の方が多いだろう。


因みに、昨日の記事で例示した通り、トランス脂肪酸の害を減らすとされる必須脂肪酸であるリノール酸も少量なら健康増進・健康維持に役立つが積極的に摂取しようとする量では人体に有害なのだ。

健康指向の高い油の代名詞であるオリーブオイルだって、皮膚再生を促進する事から、素肌に使うと毛穴を広げて美容上問題ありだし、摂取する油を全量オリーブオイルに限定すると有意に大腸癌リスクを高める事も知られている。

そして、更に、3年後の全廃を決めた当のFDAにした処で「一点の曇りなく清く正しく美しい」全廃では無く・・・米国の表示制度では1サービング(10g)当たり0.5g未満であれば「ゼロ」と表示できるので、我が国の大手食品メーカーのマーガリンでは既に「ゼロ」と表示できるレベルに下がっているらしい。(尚、余談だが、トランス脂肪酸の含有量を減らすべく企業努力を始めた食品メーカーのマーガリン等は、それ以前の製品よりも飽和脂肪酸の含有量が増えている点には注意)


科学的根拠に基づく食情報を提供する消費者団体

FOOCOM.NET


「海外ではマーガリン禁止!?」のウソ・ホント~トランス脂肪酸のまとめ

何れにしろ、「××はこれこれの理由でダメだから、代わりに、全部○○に置き換えなければならない」的な食生活は健康増進・健康維持に役立たない。あらゆる食品には何らかのリスクがあり、少なくても多すぎても人体に害が生じる。可能な限り多くの種類の食品を少なめに摂取する様に心掛ける事が健康増進・健康維持の道・・・なのだ。今も昔も、洋の東西を問わない誰もが知っている事こそ正しい訳。

その上で、トランス脂肪酸を避ける為に不飽和脂肪酸が多く含まれるマーガリン等を止めて、結果として飽和脂肪酸の摂取量を増やしてしまうのは本末転倒な結果となる恐れもある。

但し、米国の表示制度では1サービング(10g)当たり0.5g未満であれば「ゼロ」と表示できるのでは、本当の意味での「ゼロ」ではないと云う放射脳な方なら、水と霞を喰って生きていくしかないのカモ?(参考までに、水の(半数)致死量は6L、霞の(半数)致死量は未検証なので不明)

出来れば、このネタは、これでオーラスとして戴きたいモノだ。



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