2015年7月17日金曜日

食糧危機到来?

Food System Shock

英・ロイズ銀行グループのシンクタンクが発表したレポートによると世界規模の気象変動(異常気象)により食糧危機が到来するとした。

既に世界人口は60億を超え、35年後には90億を超えると予想されていて、その2050年までに食糧生産の総量を現在の2倍にしなくてはならない。食糧生産に纏わる何らかの技術革新が無い限り、食糧生産総量倍増は無理では無いかと云う話だ。そして、更に追い打ちを掛けるのが全世界規模の気象変動である。世界的な穀倉地帯と云われていた地域での干ばつや冷害と云った異常気象が頻発していては到底食糧生産量を維持する事が困難になりつつ在るのだそうだ。強大な軍事力を持つ先進諸国は、食糧難で自国民が飢えつつある現状を踏まえても尚、平和の旗印の下に理性的で居られるのだろうか?

閑話休題

我が国は、2050年頃には人口が1億人を割っている頃だろう。

別ブログ過去記事「子供手当について考える 2010-03-16 22:57:21 」でも紹介したが、我が国は、他の先進国に倣い全世界的な人口爆発を避ける為に国家としての少子化政策を実施した。その後の展開は、同じく別ブログ過去記事「少子化と云う国家的危機 2010-12-10 20:49:23 」にも少しダケ書いた。

少子化政策に舵を切った先進諸国は、急激な少子化に苦しみあの手この手で漸進的人口増加に舵を切りつつあるが、我が国の少子化は止まっていない。(一人っ子政策という社会主義極だから実現出来た思いきった政策を導入した中国では・・・謎対応・・・避妊具のCM禁止を打ち出した。一人っ子政策の一部解除と共に、全面解除も近い?)

別ブログ過去記事でも、それとなく書いてきたツモリだが、日本の政治家や官僚の頭の中が、明治時代の富国強兵から進化していない事が最大の問題なのだ。少子高齢化社会を迎えて猶、将来の税収の余剰を期待して政策を組もうとしている。

食糧難による食糧戦争や食糧テロを防ぐ為の人口爆発を食い止めるには、途上国への人口抑制を働きかけを行うしか無いのだが、その人口抑制先進国で在る我が国が少子高齢化でアップアップ喘いでいるのを見せて、我が国と同じ様に、少子高齢化で困って下さいと途上国に働き掛ける事は出来ないだろう。

途上国に人口削減を求める前に、先進国こそが、人口削減しても幸せに暮らしていくことができる環境を生み出すことができなければ、世界的な人口抑制など不可能なのだ。

「いじめはなくならない」と認識していじめ対策に取り組む事と同じく、我が国の少子化は止まらないと云う認識の上で、技術力があり、柔軟な思考により対策が可能な日本が、その見本を世界に示すときが来ているのではないだろうか?

我が国に達成できなければ、全世界での人口爆発は止められない事に成り、人口抑制の為には、食糧を奪い合う為の国家間の戦争の時代を迎えてしまうだろう。荒れる国会報道を見ていてフト思った次第。


2015年7月16日木曜日

いじめ防止基本方針

いじめ防止基本方針の策定について(通知)文科省


日教組の重鎮で在らせられる輿石(元)参院議長が居られる民主党政権下では、いじめ根絶を金科玉条としてきたが、現政権下での今回の通知では「いじめはどの子供にも起こりうる、どの子供も被害者にも加害者にもなりうるという事実を踏まえ、児童生徒の尊厳が守られ、児童生徒をいじめに向かわせないための未然防止に、全ての教職員が取り組むことから始めていく必要がある。 」とした。

「いじめ防止基本方針」では文科省が、各自治体・各学校に「いじめ防止基本方針」の策定を義務付けたのだが、こんなモノは他のお役所仕事と同じで、文科省作成の雛形通りに各自治体・各学校が形だけ整備する代物になる事は既に明らかだ。雛形通りに作られた各自治体・各学校の「いじめ防止基本方針」ならば、今まで散見されたいじめ事件での各自治体・各学校のお粗末な事後対応は少なくとも文科省のお眼鏡に適うモノとなる筈だ。

私の別ブログ過去記事「いじめ問題・・・ 2012-07-12 22:03:34 」では、大人社会のいじめ構造と子供達が感じるだろう矛盾を原因の1つに挙げてみた。

成人した立派な大人で構成された我々の社会が、子供達に誇れる市民的成熟を果たせていない現状を鑑みても、学校で子供達に市民的成熟を支援するカリキュラムを組んでも無意味だろう。いじめは悪い事・・・だと誰もが言う。「何故、人を殺してはいけないのか?」と同じ切り口で、「いじめられる側は、いじめられるのは嫌なので、いじめは悪い事」なのだろう。何故、悪い事だと知っている「いじめ」が行われるのか?は、悪い事だと知っている窃盗や暴力や殺人が行われるのと同じく行為者側への何らかの現世的な利益があるから・・・だと思う。スッキリする、面白い、一緒になっていじめないと自分が次のターゲットになる・・・、こうしたいじめに纏わる現世的な利益を破壊する事こそが教育現場に於けるいじめ対策なのだろう。
岩手県内で中学2年の男子生徒(13)がいじめを苦に電車に飛び込んで死亡した事件でも、各マスコミは「明らかなSOSに対して担任が有効策を打てなかった事」に矛先を向けた。マスコミ報道に呼応してネットでも「上司に相談せずSOSを放置した担任の責任追及に躍起となった。中学2年の男子生徒が自殺をすると云う不幸な大事件を未然に防ぐ事が出来たのは担任だけだったと云う論調だ。

未然に防ぐ事を怠った担任は断罪されて然るべきだ、上司に相談できなかった学校の体制が悪である。そんな学校の体制を看過した教育委員会等上部組織は怠慢だ。業務を適切に遂行していないから、峻厳に責任追及され罰せられ排除されて当然なのだろう。そんな「出来の悪いモノ」は罰せられて当然なのだ・・・と糾弾する正義を語るマスコミは、我々大人世代には達成できなかった市民的成熟を、次世代を担う児童生徒だけに期待するのは虫が良すぎるのではないだろうか?

いじめを根絶すると云う世迷い言から一歩前進したものの、もう一歩前進して、そろそろ「いじめをなくす」から「いじめはなくならない」に発想を転換すべき時がきたと思うのだ。いじめに纏わる現世的な利益を破壊する事でいじめる側を挫くと同時に、この時代の地球人は未だ社会的に未成熟なので、いじめる事を止める事ができないと云う認識の上でいじめられる事にも耐性を付けていく必要があるのでは無いだろうか?




2015年7月9日木曜日

たばこを吸い続けますか?それとも人間辞めますか?

何故あの人がこんな事件を起こしてしまったのか?凶暴化する禁煙者が引き起こす凶悪事件が増えている・・・のだそうだ。私自身の友人も「真面目なあの人が何故こんな事件を起こしたのか?」と思ったニュースに接して絶句した事がある。その友人の奥様に聞くと・・・「たばこを止めてから怒りっぽくなっていて、チョットした事でも火の着いた様に怒り出して手が付けられなかった」と云われていた。ひょっとしたら、ニュースで報道された「あの事件」の陰にも禁煙補助剤チャンピックスが在ったのカモ知れない。


別ブログ過去記事「副流煙で肺ガンに・・・ 2012-05-31 19:28:19 」にも書いたが、禁煙補助剤チャンピックスは「昨年(その当時の昨年なので2011年)の『使用上の注意』改訂で『めまい、傾眠、意識障害等があらわれ、自動車事故に至った例も報告されているので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。』となっ」た。我が国でも歴然と交通事故原因にマークされている。服用者は自動車の運転をしてはいけないらしい。その当時の「FDA(アメリカ食品医薬品局)の報告では『重い抑うつや焦燥、興奮、行動変化を生じ、さらには攻撃的行動や衝動的行為に至った重大な事例も起こりうる』としている」。FDAでは、禁煙補助剤チャンピックスは、何かヒトの心に得体の知れない変容をもたらす事を報告している。

心筋梗塞をやらかした私に担当医は、退院後の為に禁煙補助剤チャンピックスを処方しようとしたが、自動車の運転が出来ないのは困ると拒否した。(因みに、その当時の担当医は、『使用上の注意』改訂を御存知なかった。そんな事は無いと言い切られたが、調べて出直して来いと病室から追い返した)

そして、最新のFDAの有害事象報告システムでは殺人や暴力といった他害行為の危険性を18.0倍高めると報告されている。

禁煙補助剤チャンピックスによる殺人や暴力といった他害行為が有意に増加する事らしいのだが、同じ機序で作用する肥満防止剤でも殺人や暴力といった他害行為が有意に増えていて注意喚起がされ米国では市販薬(スイッチOTC)に降りていた肥満防止剤も米国でも要処方薬に戻っている。

禁煙補助剤チャンピックス:バレニクリン (Varenicline)の作用機序は、、これらのニコチン受容体に取り憑いてニコチン受容体を弱く刺激し続けるパーシャルアゴニスト(部分作動薬)として働く刺激薬と、ニコチンのニコチン受容体への結合を妨げ、その作用を弱める競合的アンタゴニスト(拮抗薬)として働く。

ニコチン受容体と云うと、ヒト族は生まれながらに喫煙をする前提で進化したと思われてはいけないので訂正を加えると、そもそもニコチン受容体とはイオンチャネル型のアセチルコリン受容体の事である。そもそもイオンチャネル型のアセチルコリン受容体のリガンド(相手)はニコチンではなくアセチルコリンと云う神経伝達物質の筈だったのだが、植物が作るアルカロイドであるニコチンがアゴニストとして働くのでニコチン受容体と呼ばれている。

ニコンチン受容体は、中枢神経だけではなく骨格筋細胞や末梢神経等々の全身の細胞に存在している。だが、ニコチン依存症に関係があるとされているのは、神経伝達物質としてドパミンを使用している神経細胞(ドパミンニューロン)である。

ヒトを含む動物の脳内の神経回路のひとつに、「報酬回路」と呼ばれるネットワ ークがある。中脳の腹側被蓋野 から大脳辺縁系の側坐核へ投射するドパ ミンニューロン群は、この報酬回路の一部を形成している。報酬回路は、人に誉められたい、好かれたい、等の欲求が満たされたときや満たされることが十分 に推測できるときに活性化され、快感や満足感をもたらす。この活性化に重要な 働きを担っているのが、ドパミンニューロン群からのドパミン遊離である。

報酬回路の本来の役割は、ヒト(動物)が社 会(周囲の環境)に適応した行動を選択するように動機づけることである。ところが、外来性のニコチンの作用でドパミンが遊離されて報酬回路の活性化が繰り返されると、シナ プス後膜のドパミン受容体数が減少し、受容体の感受性が低下する。こうなってしまうと 報酬回路は本来の役目を果たせないばかりか、喫煙者はニコチンを切望するようになり、 ニコチン欠乏により精神的、身体的に様々な不快な症状を来すようになる(ニコチン禁断症状)。更に、喫煙者は禁断症状を和らげるために喫煙を繰り返してしまう。

当の受入相手のアセチルコリンやニコチンなら、神経終端でドバッとドパミンが放出されるのだ。長年、外来性のニコチンを摂取しニコチン受容体を刺激し続けていると、ニコチンと相性の良い受容体が増えて本来のアセチルコリンと相性の良い筈の受容体は減ってしまうのだそうだ。

この状態が喫煙者の中枢神経である。悲しいかな、たばこ税や日本国有鉄道清算事業団の残債等々の為にたばこ中毒に陥れられた人間は、既に喫煙者の中枢神経になっていて、元に戻るのか否かは判らない。そして、沢山に増えてしまったニコチンと相性の良い受容体に禁煙補助剤チャンピックスが取り憑いて、弱く刺激し続ける訳だ。18禁的表現を使えば「決してイカさない焦らしプレイ」を続ける訳だ。

尚、余談かも知れないが、ニコチンは依存性薬物のなかでpsychotoxicity(精神毒性)がない唯一の物質である。このことは、自動車の運転など高度の注意力を要する作業に喫煙が障害にならないという事実からも容易に理解できようが、実験的にもニコチンを静脈内に自由無制限に摂取させ、あるいはシガレットとして自由に喫煙させても、急性的にも慢性的にも異常な行動や精神症状はみられないことが確認されている。更に余談かも知れないが、禁煙補助剤チャンピックス:バレニクリン (Varenicline)の方は、psychotoxicity(精神毒性)が報告されている。psychotoxicity(精神毒性)とは、「薬物によって起こる病的な精神状態。意識障害を中心とする外因性精神障害」の事だ。

禁煙補助剤チャンピックスで禁煙に成功しても、殺人や暴力といった他害行為の危険性を18.0倍高めるリスクの説明は医師から受けなかった人が大半なのだろうと思う。私が薦められた当時でも医師は『使用上の注意』改訂を知らなかった。意思さえ強固なら、殺人や暴力といった他害行為の危険性を18.0倍高められても大丈夫なのカモ知れないが、私の知る数人の禁煙補助剤チャンピックスで禁煙チャレンジ中だった方(禁煙を断念された方も含めて)、その家族からは「タバコを止めて非常に怒りっぽくなった」と聞いた例は枚挙に暇無い。殺人や暴力といった他害行為の危険性を18.0倍高められると云う事が、禁煙補助剤チャンピックスを経験していない私には判らないが、怒りの衝動をを抑えられないと作用するのだろうか?

精神毒性が無いニコチン依存症を治療する為に、精神毒性が報告されている禁煙補助剤チャンピックスを公的補助を付して医療行為として行おうとは・・・、精神障害で苦しむ人を新たに生み続けている事に社会が気が付く為には、何人の不幸な方々が犠牲になれば良いのだろうか?

これから禁煙にチャレンジしようと思し召す方が、運良く拙ブログを御覧に成られたら、禁煙は「禁煙アプリ」や「禁煙パイポ(死語?)」と自らの意思で闘うべきで、絶対に禁煙補助剤チャンピックスには頼らない禁煙をお薦めしたい。で、もしも、禁煙補助剤チャンピックスに頼らなければ禁煙が出来ないのだとしたら・・・、禁煙をキッパリ諦める潔さも人生では寛容だと考えるべきだ。