2015年12月6日日曜日

「あかつき」再投入へ

別ブログ過去記事「『あかつき』軌道投入に失敗す|2010-12-08 22:01:26」から5年が経過した。失敗当初の軌道計算では再び金星周回軌道投入を狙うのは約6年後とされていたが、遷移軌道を見直す事で1年早く周回軌道投入が可能となった。そして、本年7月下旬に姿勢制御エンジンを3回に亘って数十秒間稼働させると云う設計外アクロバティックな機動を行い無事に遷移軌道へ投入に成功した。その後、本年8月29日には9回目の近日点通過で衛星の熱損傷も進んでいる模様だ。

本日中に姿勢制御を終えて、いよいよ明日軌道投入への最終シークエンスが開始される。

12月7日 4:30 臼田宇宙空間観測所が可視開始

    同    8:22   日陰通過開始「あかつき」が金星の陰に入る

  同    8:51 トップ側VOI-R1を噴射し200m/s減速させる

                 〜     減速が足りなければ自動で反転し臼田局からの指令で
                         ボトム側姿勢制御Eng.VOI-R1C 噴射を行う予定

                       
     11:30 データ受信と確認作業など

     12:00   金星との時差は8分20秒弱なので成否が判明する頃

午後にはNASAのキャンベラ深宇宙通信施設(オーストラリア)にリンク移管

今の時点で「あかつき」には自律シークエンスがアップロードされているので、後は「あかつき」に任せるしかないだろう。(もし、減速が不足していればZ軸で自動反転して、30秒毎に送信するテレメーター情報から地球側で判断し、ボトム側の姿勢制御エンジンでの追加減速を行う事になっている)


多くの方の応援が「あかつき」の成功に繋がると信じている。明日は、学業や仕事の合間に「あかつき」の成功を共に祈って欲しい。明日の昼頃にはニュース速報で金星周回軌道への投入成功が報じられている筈だ。