2017年5月31日水曜日

人口減少社会を転機にすべき





ハーヴェイ・ライベンシュタイン(Harvey Leibenstein、1922年 - 1993年)博士の「出生の効用・不効用仮説」に依れば、先進国では必然的に人口減少社会へと転じる事になっているのだそうだ。別ブログ過去記事にも書いたが、日本の場合1974年には明確に少子化を目指す政策を打ち出している。厚生省の諮問機関である人口問題審議会は、人口白書で出生抑制に努力することを主張した。その根拠は前年にオイルショックが起きて、資源と人口に関する危機感が高まっていたからで、そのショック冷めやらぬ真っ最中である1973年に開かれた斉藤邦吉・厚生相の他、岸信介・元首相や人口問題の識者が勢ぞろいした日本人口会議での「子どもは2人まで」という大会宣言を採択した事だ。その大会の基調講演では、SF作家の小松左京氏や、画家の岡本太郎氏等も人口爆発に歯止めが必要と云う趣旨で講演を行なっている。この採択が功を奏したのか、歴然と出生率が減り始め1989年に合計特殊出生率が1.57まで急落して少子化が社会問題となり、政府が動き出したのはこの翌年からだったが、時既に遅しだった様だ。






「出生の効用・不効用仮説」を端的に説明すれば、子どもの効用を「消費効用」「所得(労働力)効用」「保障効用」の3 つに分け、所得の上昇と社会保障制度の拡充に依って後2者の効用が低下する一方で不効用(養育費用)が上昇する為、出生率の低下がもたらされるという仮説だ。





今更ながらに少子化問題を解決しようとするならば「出生の効用・不効用仮説」を逆手に取るべきだろう。「所得を落とす」「社会保障への信頼を失わせる」等で「保障効用」を高め、「手厚い子供手当」で「所得効用」を高め、地域全体が子育て支援や子供中心の行事への参加に取り組む事を義務付ける等で「子供を養育する満足感を高める」だろうか?






だが、別ブログ過去記事にも書いたと思うが、最も簡単な方法はTV放送やインターネット商用サイトを24時〜翌6時迄制限するか、曜日を決めて計画停電を実施するか、だろう。出生は期待効用で左右されるのカモしれないが、「性生活の形式力」は余暇時間の量と比例関係にあると確信している。






又、上手く少子化を脱しつつある先進国では、労働力としての移民の受け入れで時間稼ぎをしながら、権威主義的な家族制度から脱却した事が大きく功を奏したと思う。精子バンクや社会制度としての子育て支援充足が、婚姻と云う形に拘らない出生を可能としたのだと思う。






この何れもが我が国では実施出来ずにいて、我が国は世界にも稀な速度で人口減少社会に突入している。但し、人口減少を食い止めた先進国では、受け入れた移民達の子供達世代への代変わりが新たな問題を生み、失業率が高止まり改善されず、新しいテクノロジーがもたらすAIや自動化が人間から仕事を奪うとして社会的に許されないと云う議論に発展している。我が国は急激な人口減少から近い将来の労働力不足が、もう待った無しの状況にある。


先進7カ国で現在も人口減少が問題視されているのはドイツと日本だけだが、ドイツは戦乱のシリア等からの想定80万人規模での難民受け入れを決めた。我が国は、難民のみならず移民・外国人労働者受け入れも厳しい条件を付けて制限していて、我々の想像を超える急速なスピードで人口を減らし超高齢化社会まっしぐらであり、日本だけが先進国で唯一の人口減少国という特異な立場に取り残される事が確定している。


もう凡ゆるメディアで喧伝されているので、今更改めてここに書くまでもないだろうが、僅か5年後の2022年には現役世代2人で65歳以上の高齢者を1人支える事になっている。2100年の推定値では現役世代1人で65歳以上の高齢者を2人支える事になっている。それを実現させる為には、労働人口減少する中で現在以上に経済成長しなければならない。止まらない人口減少は経済停滞、いや、大幅な経済後退を招き貧国としての暗い未来を暗示している。この状況を打破するには、もはや従来の方法では不可能だ。


だからこそ、今、この絶体絶命の状況をチャンスにすべきだ。





今日まで当座凌ぎの移民の受け入れも行わず、実効力のある少子化対策も行わずにいた我が国は、ここで欧米では忌避されている労働力代替テクノロジーを積極的に導入するチャンスが到来したと云えるのだ。失業率の問題に捉われず、全力でテクノロジーの導入が実施出来るのだ。






全世界的に見ると、今後進歩発展するであろう労働力代替テクノロジーが人間から仕事を奪うと問題視されている。





2014.11.08
オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった
週刊現代



(消えるかも知れないWeb上の記事なので、引用します)


たとえばバーテンダーの仕事。これがコンピューターに代わられる確率は77%—。そんな大胆予測を披露した論文が全世界で話題だ。論文の執筆者が本誌に語った、凄まじすぎる「雇用の未来」。

仕事はほぼ半減する




「コンピューターの技術革新がすさまじい勢いで進む中で、これまで人間にしかできないと思われていた仕事がロボットなどの機械に代わられようとしています。たとえば、『Google Car』に代表されるような無人で走る自動運転車は、これから世界中に行き渡ります。そうなれば、タクシーやトラックの運転手は仕事を失うのです。
これはほんの一例で、機械によって代わられる人間の仕事は非常に多岐にわたります。私は、米国労働省のデータに基づいて、702の職種が今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるかを分析しました。その結果、今後10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いという結論に至ったのです」
人間が行う仕事の約半分が機械に奪われる—そんな衝撃的な予測をするのは、英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授である。
そのオズボーン氏が、同大学のカール・ベネディクト・フライ研究員とともに著した『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』という論文が、いま世界中で話題となっている。
同論文の凄味は、702の職種すべてについて、コンピューターに取って代わられる確率を仔細に試算したことにある。言うなれば、これから「消える職業」「なくなる仕事」を示したに等しく、これが産業界に衝撃を与えているわけだ。
右に載せたのは、そうした「消える、なくなる」可能性の高い主な仕事である。いずれもコンピューターに代わられる確率は90%以上という驚くべき数字が弾きだされている。
オズボーン氏が言う。

「各仕事に必要なスキルはどのようなもので、そのスキルを機械がどれだけ自動化できるのかを、テクノロジーの発展のトレンドを考慮して詳細に調べ上げました。具体的には、コンピューター化の障壁となりうる9つの仕事特性を抽出して—たとえば、手先の器用さ、芸術的な能力、交渉力、説得力など—、702の職種を評価したのです。
これまでロボットはルーチン的な作業しかできないとされてきましたが、ここ10年間におけるロボットの能力向上は目覚ましいものがあります。ロボットが完全に人間の知性を手に入れるにはあと少なくとも50年はかかると言われていますが、その過程で、多くの仕事が機械の脅威にさらされることがわかってきました」
日本におけるロボット市場は直近では9000億円ほどだが、これが'20年には約3兆円、'35年には10兆円程にまで達するといわれる。
この10月に行われた日本最大のIT・エレクトロニクス見本市『CEATEC』では、人間相手にラリーをする卓球ロボットなどが披露され、来場者の度肝を抜いたばかり。最近では携帯大手ソフトバンクが、人間相手に会話をする世界初の感情認識パーソナルロボット『Pepper』を発表するなど、各企業のロボット開発競争は熾烈化している。
子供の頃に憧れたSFの世界が現実化する日が近づくようでワクワクする面もあるが、オズボーン氏が指摘するように、それは同時にロボットが人間の仕事を奪う皮肉な結果をもたらすのである。

弁護士から警察まで

そんな時代がいよいよ本格化しようとしている中で、気になるのはどのような仕事が「消える、なくなる」可能性があるのか、だろう。
オズボーン氏は言う。
「最近の技術革新の中でも注目すべきはビッグデータです。これまで不可能だった莫大な量のデータをコンピューターが処理できるようになった結果、非ルーチン作業だと思われていた仕事をルーチン化することが可能になりつつあります」
その具体例として前出の論文に書かれているのが、「医療診断」である。米国のニューヨークメモリアルスローンケタリングがんセンターが、米IT大手のIBMと協業している事例が取り上げられている。
同がんセンターでは、米国のクイズ番組で人間相手に勝利を挙げたワトソンというIBMの人工知能型コンピューターを活用して、60万件の医療報告書、150万件の患者記録や臨床試験、200万ページ分の医学雑誌などを分析。コンピューターが患者個々人の症状や遺伝子、薬歴などをほかの患者と比較することで、それぞれに合った最良の治療計画を作ることに成功しているというのだ。
法律の分野でも、裁判前のリサーチのために数千件の弁論趣意書や判例を精査するコンピューターがすでに活用されており、米ソフトウェア大手シマンテックのサービスを利用すると、2日間で57万件以上の文書を分析して分類することができる。その結果、弁護士アシスタントであるパラリーガルや、契約書専門、特許専門の弁護士の仕事は、すでに高度なコンピューターによって行われるようになっているという。





オズボーン氏が続ける。
「センサー技術の進化も重要です。センサー技術が発展すると、これまで人間にしかできないとされていた認知能力を備えた機械がさまざまな分野で活躍できるようになるからです。たとえば、カタールの首都ドーハやブラジルのサンパウロ、中国の北京などでは、水道のパイプやポンプにセンサーを設置。センサーが水道管の漏れをチェックした結果、水漏れを40~50%削減することに成功しています。こうした機器の不具合を観察する作業員は必要でなくなるでしょう」
センサー技術がさらに普及すれば、患者の状況を観察する医療スタッフの仕事がいらなくなる可能性も出てくる。
また、街頭や歩道などにセンサーが張り巡らされ、音や映像を記録することによって、「警官の人数も減らせるかもしれない」とオズボーン氏は指摘する。
「人間は休憩や睡眠をとる必要があるので、観察が中断することがありますが、センサーは常に見張りができる。また、人間は集中力の低下や人それぞれに思考のバイアスがありますが、ビッグデータを分析するコンピューターにはそのようなデメリットがない。結果として、機械のほうが人間よりすぐれた仕事をする可能性すらあるわけです」

知識労働者が次々失業

こうしたビッグデータによる情報分析、センサーによる認識能力を組み合わせることで、人間並み、もしくはそれ以上の「判断力」を備えたコンピューターも出現し始めている。
たとえば米アップルのスマホは、人間が「東京の週末の天気は?」と話しかけると、それを認識し、実際の天気予報を画面上に映し出す。
米国では、コールセンター業務を人間に代わって行える音声応答システムも開発されており、これにより従来に比べ60~80%のコストが削減できるようになりつつあるともいう。
金融業界では、人間のトレーダーよりも大量かつ迅速に、コンピューターがプレスリリースや決算資料を分析し、それに基づいた投資判断を下すのが日常の風景となっている。
ウェブ上に顧客が情報を入力するだけで、コンピューターのファイナンシャル・アドバイザーが顧客それぞれにあった資産運用アドバイスを行うサービスもスタートし、人気を博しているというのだ。
「教育の現場では、無料でオンライン講義を受けられる『MOOCs』が急成長しています。そして、学生がディスカッションでどんなやり取りをするか、課題を勤勉にこなしているか、講義をきちんと視聴しているか、そして最終的にどれくらいの成績をおさめているか、などについての莫大なデータが集まり始めています。こうした情報を利用すれば、人間に代わってコンピューターの講師が、個々の学生に応じた講習や評価ができるようになるし、卒業後の就職適性も導き出すことができるようになります。その技術を人材採用に適用すれば、各企業の人事部の作業はいまよりずっと効率化できたりもするのです」(オズボーン氏)


たとえば米アップルのスマホは、人間が「東京の週末の天気は?」と話しかけると、それを認識し、実際の天気予報を画面上に映し出す。
米国では、コールセンター業務を人間に代わって行える音声応答システムも開発されており、これにより従来に比べ60~80%のコストが削減できるようになりつつあるともいう。
金融業界では、人間のトレーダーよりも大量かつ迅速に、コンピューターがプレスリリースや決算資料を分析し、それに基づいた投資判断を下すのが日常の風景となっている。
ウェブ上に顧客が情報を入力するだけで、コンピューターのファイナンシャル・アドバイザーが顧客それぞれにあった資産運用アドバイスを行うサービスもスタートし、人気を博しているというのだ。
「教育の現場では、無料でオンライン講義を受けられる『MOOCs』が急成長しています。そして、学生がディスカッションでどんなやり取りをするか、課題を勤勉にこなしているか、講義をきちんと視聴しているか、そして最終的にどれくらいの成績をおさめているか、などについての莫大なデータが集まり始めています。こうした情報を利用すれば、人間に代わってコンピューターの講師が、個々の学生に応じた講習や評価ができるようになるし、卒業後の就職適性も導き出すことができるようになります。その技術を人材採用に適用すれば、各企業の人事部の作業はいまよりずっと効率化できたりもするのです」(オズボーン氏)


マッキンゼー・グローバル・インスティチュートによれば、こうした高度な技術が、世界で約1億4000万人のフルタイムの知識労働者にとって代わると予測されているという。
オズボーン氏は語る。
「経済の歴史を見ると、技術的進歩といえば、たいていは身体を使う手作業を機械化することを表していました。しかし、21世紀の技術的進歩は、これまで人間の領域とされてきた認知能力を必要とする幅広い仕事を機械化することを意味するのです。
さらに、手作業についても従来は単純化できる作業だけが機械化されていましたが、今後はより複雑な作業まで機械化できるようになります」
その具体例として論文に上げられているのは、たとえば、「病院ロボット」。病院内で、食事や処方箋を患者ごとに自動的に輸送するロボットや、手術を行うロボットがすでに出現しているという。
食品業界でも、スペインのある食品加工メーカーでは、ベルトコンベアーで運ばれてくるレタスをロボットが測定し、品質基準に満たないレタスを選り分けているという。
われわれが気付かないうちに、ロボットが人間の代わりに働く光景はすでに世界中に広がっているのだ。
「たとえば、米ゼネラル・エレクトリックは、風力タービンを登ってメンテナンスをするロボットを開発している。物流の分野でも、日本のメーカーが遠隔操作できるほどの高度なコンピューターと通信機器を搭載している自動車を開発しています」(オズボーン氏)

絶対に消えない仕事とは?

『バクスター』という汎用ロボットは、人間がロボットの腕などを動かして仕事を憶えさせることで、パターンを暗記してその作業を自動的に行えるという。しかも、『バクスター』の値段は約2万ドル(約210万円)ほどで、産業用ロボットが平均して10万~15万ドルする中にあっては安価だ。
ロボットがこうして広く普及するにつれて、大量生産によってその値段はどんどん下がっていく。「10年以内に産業用ロボットは平均して5万~7万5000ドルほどの値段で買えるようになる」とオズボーン氏が指摘するように、価格下落がさらにロボットの普及をうながし、人間の仕事をさらに奪っていく。
「『バクスター』のような低価格で多目的なロボットは、製造業だけでなく、サービス業でも活用されるようになるでしょう。サービス業は人と人とがコミュニケーションをしなければいけない業種なので機械化は難しいとされてきましたが、その壁すら乗り越えようとしているわけです。かつてレストランのウェイターやウェイトレスの仕事は機械に奪われないと言われていましたが、いまはタブレット端末で注文できるレストランが増えています。受付業務や秘書業務も同じような流れにある。今後はさらに、調理、医療、清掃、高齢者介護などのサービス産業で、ロボットが複雑な作業を担うことになるでしょう」(オズボーン氏)
ロボットが職場に溢れ、仕事を奪われた人間が失業者になっていく様は想像するだけで恐ろしいが、オズボーン氏は「人類にとってこれは歓迎すべきことだ」と主張する。
「かつて洗濯は手作業で行っていましたが、洗濯機の登場でその仕事は奪われました。しかし、それによって余った時間を使って新しい技術や知恵が創造された。こうして人類は発展してきたわけです。現在起きているのも同じことです。
ロボットやコンピューターは芸術などのクリエイティブな作業には向いていません。となれば、人間は機械にできる仕事は機械に任せて、より高次元でクリエイティブなことに集中できるようになるわけです。人間がそうして新しいスキルや知性を磨くようになれば、これまで以上に輝かしい『クリエイティブ・エコノミー』の時代を切り開いていけるのです」
もちろん、そうした高次元でクリエイティブなスキルを身につけられなければ、失業者に転落するリスクが大きいということでもある。来たるべきロボット社会で生き残るのは、なかなか容易ではなさそうだ。
「週刊現代」2014年11月1日号より

ドイツ日本以外の他の先進国では、近い将来の人口減少から脱却する事が出来た代わりに失業率が高止まりして中々改善されない。その状況でテクノロジーの台頭があり、機械が仕事を奪うのではないか、それは社会的に許されないのではないか、という議論に至っている。そして、最大の問題が難民移民の2世3世達は、高いモチベーションで先進国の高等教育を受け高い学歴と知識を得て、高い収入を得る社会の支配層へ静かに浸透していき、かつての難民や移民達が引き受けていた仕事は今や元々先進国側の低所得者層の仕事となっている。

我が国が、当面の労働力不足・人口減少を補う為に難民や移民を受け入れても、我々の社会全体での変革が余儀なくされる。我国で、少子高齢化が、そして、それに依る労働力不足や人口減少が問題視されてから久しいが、移民の受け入れの必要性が説かれる事はあっても実現に向かって舵を切らなかったのは、過去に我が国は、打倒米英の名の下にアジアの人々と共に手を携え大東亜共栄圏の夢にチャレンジし破れた日本は島国根性を地域全域に広げる事の難しさと国民性の違いを無視して同胞意識を培うには時間が必要だと痛感していて、再び移民を受け入れたくないと多くの国民が思っているのだろう。そして、労働力不足の中でも、労働力の受け入れイコール難民移民の受け入れを実施した影には、働きたくても働けない日本人が多数現れて来て、彼らから仕事を奪う事態に陥るだろう。そう云ったコンセンサスに逆らって難民や移民の受け入れを行う事は、今のままでは難しい。但し、我々自身の気持ちが緩やかに変容していき、難民や移民の受け入れも止む無しとなる頃には、我が国は最貧国に転落していて、難民や移民の方々にとって魅力の無い国に落ちているだろう。

勿論、同じ種類の抵抗が労働力代替テクノロジーを導入しても起こるだろう。だが、現在の現役世代が、労働力代替テクノロジーに長年の経験で習得した日本流の英知を伝達して行けばジャパン・クオリティーの労働力代替テクノロジーが育つ事になる。外国語を話す弟子を持つか、機械の弟子を持つかの違いだ。だが、日本の労働力代替テクノロジーへ教えた技術は、未来永劫ジャパンクオリティの象徴として活躍し続ける筈だ。

我が国は、ここで欧米では忌避されている労働力代替テクノロジーを積極的に導入するチャンスが到来したと云えるのだ。失業率の問題に捉われず、全力でテクノロジーの導入が実施出来るのだ。


勿論、この事は新たな問題を生むだろう。AIや自動化といった労働代替テクノロジーの積極的導入に依って仕事の内容が大幅に変化する職種の割合は、既にIT化先進国である日本でも25%に達すると予想されている。中長期的には、50代60代70代と云った後期生産年齢層が如何に上手く機械と共働していくか、如何に機械との共存の為の新しいスキルを習得していくかが課題となるだろう。


例えば、トラック輸送を例に挙げれば、近い将来では完全自動運転は実現出来ないから大型トラックのカルガモ走行(自動隊列走行)から導入される事になるだろうが、先頭車両には熟練した大型トラックドライバーが特別な教育と資格を受けて乗務すると想定されている。他の業種と同じくキツイ仕事の高齢化は顕著だが、ここで踏ん張っている後期生産年齢層がモチベーションを維持して自動運転車からカルガモ走行の指揮を執る事になるだろう。


特別な教育に依る新しいスキルの習得が必要だが、OECDの国際成人力調査(PIAAC)によると16〜65歳の日本人成人の読解力、数的思考能力は加盟国中トップだ。アメリカをはじめ諸外国では、基礎学力の欠如の為にリスキリングの困難に直面している例も多く、日本はその意味で優位な立ち位置にある。

但し、日本人の問題解決能力、仕事におけるICTの活用能力は低いとなっている。この事は15歳以下を対象した同種の調査でも同じく低調な結果が出ており、我が国の教育システムの問題だと言える。又、PIAACでは日本人は自分の能力を仕事で活用していないと感じる人が他国と比べて圧倒的に多いという結果も出ている。これは職業選択の問題なのか、企業での教育体制の問題なのかは定かでは無いが、教育の分野こそ早期に労働力代替テクノロジーの導入が必要なのカモ知れない。


米国発金融危機後の世界経済の発展は、AmazonやGoogleやAppleやFaceBookと云ったITC企業のみならずTOYOTA等の製造業やサービス業でも、世界経済TOP100社が大幅に伸びて100位以下が伸び悩んでいる現状がある。単にITCテクノロジーを使って効率的に働く事が経済的伸長に繋がると言うよりイノベーションを起こす環境・システムこそが重要であると示唆している。


我が国は、直面している先進国最大の危機をチャンスに替える為に、AIや自動化と云った労働力代替テクノロジーを積極的に導入しイノベーションを起こすべきだと思うのだ。




「かつて洗濯は手作業で行っていましたが、洗濯機の登場でその仕事は奪われました。しかし、それによって余った時間を使って新しい技術や知恵が創造された。こうして人類は発展してきたわけです。現在起きているのも同じことです。
 ロボットやコンピューターは芸術などのクリエイティブな作業には向いていません。となれば、人間は機械にできる仕事は機械に任せて、より高次元でクリエイティブなことに集中できるようになるわけです。人間がそうして新しいスキルや知性を磨くようになれば、これまで以上に輝かしい『クリエイティブ・エコノミー』の時代を切り開いていけるのです」



他国に比べ、短期間で新しいスキルを習得できる素地がある。労働市場を流動化させ、「宝の持ち腐れ」状態から脱する必要がある。


2015年12月02日 18時05分 更新
[ITmedia]






















う〜ん、両方を眺めてみて、人工知能やロボットに技術や経験を伝授出来そうなスキルを私は持ち合わせては無いし、私がリスキリングを受けて転職出来そうな仕事って無さそうなのがチョット辛いカモ?


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