2012年12月19日水曜日

量的金融緩和が日本を救うのか?

このネタは、安倍自民党圧勝に沸き株価復活に喜んでおられる皆さんに水を差し兼ねないので口をつぐんでおくべきカモ知れない。こうしたマインドが市況にプラスにもマイナスにも影響を与えるのだそうだから・・・。

量的金融緩和とは、日本銀行が公開市場操作で銀行等の金融機関から国債手形を買うことで資金を供給し、金利が低下し、市中に出回る資金の量が増える事を云う。

別ブログで書いたのだが、高度成長期からは既に遠く日本は構造不況と共にデフレという低成長の時代に入ったと思われた1985年9月のプラザ合意で、翌年には為替レートが1ドル=240円から150円台まで急激に上昇する。この急激な円高に耐えきれず、資金力のある輸出企業は国外に脱出し、取り残された中小輸出企業の倒産が相次いだ。

この窮状を緊急避難的に救済すべく行った量的金融緩和こそが日本を狂乱に陥れ、崩壊後の20年間の経済沈滞を招いたバブル経済の原因である。そして今日の「うしなわれた20年」の原因こそ、この時の緊急量的緩和政策の失政と、バブル狂乱を収縮させるべく行った金融引き締めの失政である・・・と思っている。

日本の財界ではミニバブル待望論が根強く、その声を受けて安倍自民党は25年前の自民党の失敗と20年前の失敗をリカバーしようとしているのだと思う。だが、今回の安倍自民党下で無制限(と銘打った)の量的金融緩和を行っても、恐らく日本国内ではバブル経済はスタートしない。

あの時は・・・潤沢な資金を手に審査も等閑に金を貸して貸しまくった銀行が、バブル崩壊後の辛酸を舐め、回収可能な安全な顧客にしか貸さない事を徹底してくるだろうから、安倍自民党が日銀に圧力を掛けて量的金融緩和を強烈に推し進めても、資金難に喘いでいる国内零細中小企業には資金は届かないだろう。25年前より格段に進んだ枠組みの中で、日本でダブついた資金は東南アジアや中東に流れていき彼の地でバブルを生んでしまう事になるだろう。

こうしてインフレターゲットに乗って物価だけが上昇しても大部分の大衆は賃金が上がらぬままとなってしまう恐れがある。無制限の量的金融緩和は大袈裟なリップサービスとしても、適当な量的金融緩和+構造改革で今日の窮状を乗り切る事を安倍自民党には期待したい。







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