2013年1月31日木曜日

ブルーライトは目に悪い?

ブルーライトとは? | JINS - 眼鏡(メガネ・めがね)

ブルーライトの及ぼす影響について(医療法人社団 南青山アイクリニック東京)




一連のマイナスイオン関連商品には殆ど効果が見出せないと云うお墨付きが出て久しいが、最近の香ばしいネタとしてはブルーライトネタだろうか?




太陽光の白色光(白い光)の中には、ヒトの目に見える可視光線より波長が短い紫外線が含まれている。強度の強い紫外線(特にUVB)は目に対して危険であり、スキーの際の雪眼や電気溶接に於ける電気性眼炎等の紫外眼炎、白内障、翼状片(よくじょうへん)、瞼裂斑(けんれつはん)等々の原因とされていてヒトの目に不可逆な障害を引き起こすのだ。


ブルーライト・・・青い光は紫外線領域に近いから危険だ!と云う発想で、ブルーライト対策としての保護メガネや、ディスプレイに貼る保護シートが登場してきたのだろう。


その後、液晶ディスプレイのバックライトとして使われていた冷陰極管(CCFL)は普通の蛍光灯よりも漏洩する紫外線は非常に僅かであるし、主流と成りつつあるLEDバックライトに至っては紫外線は全く出さない・・・事が明らかになりつつあるので宗旨変えをされつつあるトコロで・・・


その後、液晶ディスプレイへのブルーライト対策は、紫外線防除から、波長が短い=光のエネルギーが大きい事や、波長が短い=分解能が高い為に目が疲れやすいにシフトしてきつつある。


上の可視光線スペクトルを見れば判る通り、可視光線の中で最も波長が短いのは紫色の光なので、厳密に云えばブルーライト対策ではなくパープルライト対策なのだろうが・・・。


別ブログ過去記事「色覚異常・・・ 2012-02-21 19:32:02 | 独り言」に引用した図の様に・・・、


ヒトの目は可視光線スペクトルの全域を見て色を弁別しているのではなく、424nm(紫色)に最も感受性が高く紫・藍・青・青緑を受け持つ錐体細胞S、530nm(緑色)に最も感受性が高く藍・青・緑・黄・橙・赤を受け持つ錐体細胞M、560nm(黄緑色)に最も感受性が高くほぼ可視光線全域を受け持つLと、主に明暗を感知する暗闇で働く桿体細胞(僅かに赤色を認識する)の4種類の視細胞の感受性の違いを脳内で演算処理して認識している。


大部分の人工的なディスプレイは、RGB方式を採用していて赤 (Red)、緑 (Green)、青 (Blue) の三つの原色を混ぜて幅広い色を再現している。





だから、580nmの黄色の単一波長の光も黄色と認識するが、530nm(G=緑)の単一波長の光と、560nm(R=赤)の単一波長の光と云う2色の混ざった光も同じく黄色として認識する。


ところが、2型色覚異常の色認知はSMLの各錐体細胞の受け持つ色の範囲や、感受性が少し左右軸方向にずれていると(下図では上図とMLの感受性のグラフの重なり方がずれている)同じ黄色を認識する為の単色光も左右軸方向での位置が変わり、RGB方式での色調整も変わってきてしまう。(・・・のだが、色認識は絶対認識なので、健常者と私のような色覚異常者では同じ色を僅かに違う色に認識しているのだろう。つまり、色の認識は、脳が作りだした生理的な感覚でもあるのだ。(余談だが、私のように錐体細胞Lの左右軸方向の感受性スペクトルがずれている人が健常者のフリをする為に色覚検査表で馬脚を出さない為に装着する色眼鏡が売られている。私が将来の進路を決定する決断を下す時に、こんな商品が売られていれば・・・、もう少し違った人生になっていたカモ知れないが・・・。)




で・・・、ブルーライト対策に売られているメガネは、以前は無色透明な紫外線カットのメガネだったのカモ知れないが、対象が紫外線から目に悪い(?)青い光に変わったので、伴ってRGB方式の青 (Blue) 原色を減らす色のレンズが使用されている訳だ。


424nm(紫色)に最も感受性が高く紫・藍・青・青緑を受け持つ錐体細胞Sの感受性を落とす色のレンズを使用すると、折角の健常者の皆さんも私のような色覚異常者の世界を垣間見る事になるのだろう。兎に角・・・、多くのサイトで喧伝される様にブルーライトが健康に悪いのなら、同価格で白黒ディスプレイも売り出して、消費者に選ばせれば良いのでは?

・・・と云うのは冗談だが、白色(白色光)の認識が家庭の照明が主に白熱電球であった時代の色温度(3200K)から、昼白色蛍光灯世代の色温度(5000K)、そして3原色(高演色)蛍光灯世代の色温度(5500K)、更にLED照明世代の色温度(6000K→6500K)へと、白色光の色温度の好みは上がってきた。太陽の白色光の色温度は5000Kだが大気の色である青色が加味し平地で6000K(空気の澄み切った高原の南中時刻頃6500K)だから、6000K〜6500K位が本当の白色光なのカモ知れない。

トコロが、更に色温度が上がり青みがかった色の方が人類には普遍的に真っ白い白色光として好まれる傾向があるらしく・・・、当時日本メーカーに対して劣るとされていた韓国製ディスプレイメーカーが色温度をジリジリと上げていき、より青い光こそ白いと云う韓国系家電メーカーが全世界向けに社会的流行を喚起しマーケティングに成功した事から、今日では白色光ではなく青白光を白と認識する風潮になっている。この韓国メーカーが作りだしたトレンドを追って今日では日本メーカーも9000K〜9300Kの鋭く青白い光を白色光としてRGB色空間を加法混色しているのだ。(ここにきて韓国メーカーのスマホのバックライトは更に色温度を上げてきていて・・・最早、青白光より薄紫光が白色になりつつある。ブルーライトより目に悪い?パープルライト対策も必要なのカモ)

勿体ぶった結論だが、ブルーライト対策は家庭にあるディスプレイ(液晶テレビも、コンピューターディスプレイも)色温度を6000K〜6500K位に下げて使えば、我らの太陽系第3惑星に相応しい色温度の白色光に基づく演色・・・本物に近い色再現が可能となる訳だ。9000K〜9300Kの鋭く青白い光を白色光に馴れた現代日本人には6000K〜6500Kでは最初の内は黄色っぽく見えるのかも知れないが、これこそが本当の白色光であり本物に近い演色であり、ブルーライト対策は不要だろう。(尚、余談だが・・・、ヒトの視覚における色の認識と色温度とは単純な比例関係にない。他のヒトの大部分の感覚が比例より対数で表すのが相応しいように色認識と色温度の関係も同じで、色温度の逆数( K−1)を100万倍したM K−1で表現した方がヒトの感覚的に色温度と色認識を数値化するのには相応しい様だ)

今日的流行の中で、人工的なディスプレイは実際とは異なる嘘っぽい演色を強いられているのだが、ブルーライト対策メガネやフィルムを買うよりも御使用中のディスプレイの取説を発掘して色温度を切り換えてみる事をお薦めしたい。(尚、廉価版のディスプレイでは色温度の切替調整が出来ない場合もあるので、その際は、巷で流行の兆しを見せ始めている・・・好みの演色となるブルーライト対策メガネを探し求めてみるしかないのカモ?)

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