2013年8月7日水曜日

黒潮「大蛇行」か?

黒潮、8年ぶり「大蛇行」か…高潮被害に注意 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

黒潮は、日本近海では幅100Kmにも及ぶ大きな海流で、表層での最大流速は4ノット(約7.4Km/h)にもなる。水深600mの深さでも1〜2ノットとなり、1秒間に2000万〜5000万立方mの海水が移動する。太平洋岸を航行する船舶は。この追い潮4ノットを活用し燃費良く航行できる航路として黒潮を活用している。親潮等の寒流系と比べて栄養塩濃度は低いが、親潮と黒潮がぶつかる周辺(以前は、金華山沖・・・今は、親潮の流量が減少しているので北海道の東岸沖)では大漁場を形成している。又、黒潮はカツオやマグロ等の回遊魚が回遊している。



黒潮の大蛇行が発生すると、漁場に影響が生じて回遊魚の漁獲量が大幅に減少する事と、
蛇行した黒潮と本州南岸の間に下層の冷たい水が湧き上がり冷水域が発生してしまう事から東海地方全域での沿岸漁業も不振となってしまう。

それと・・・日本沿岸を流れている黒潮の発生メカニズムは、偏西風貿易風と地球の自転から生じるエクマン輸送による湧昇流であり、北太平洋の中心に向けて海水が吹き寄せられる為に、周辺の海域と比べて水位が高い状態が維持され続ける。だから、黒潮が大蛇行すると沿岸地域に高い水位の海水域が近づく為に、局所的に高潮被害が生じやすくなるのである。今回の大蛇行では駿河湾沿岸地域での高潮被害が予測され台風接近等には警戒が必要だ。

黒潮大蛇行のメカニズムは、実は正確には解っていない。だが、黒潮の流路を決定している重要なファクターは黒潮の流量である事は判っている。但し、流量が多ければ蛇行する、流量が少なければ蛇行しない、流量が少なければ蛇行する、流量が多ければ蛇行しないと云う単純な因果関係ではなく黒潮の南側を反対方向に流れている流速の遅い「黒潮再循環流」の流量との兼ね合い等々も加味された複雑な要因から発生しているのだそうだ。



この傾向下では高知のカツオ漁は好調なモノの東北・北海道での回遊魚漁業は不漁となりそうである。円安傾向で物価高の今年、秋の味覚さんまはお高くなりそう?

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