2014年2月7日金曜日

高速料金、混むほど割高に

高速料金、混雑度合いに応じて設定 渋滞の都心は割高に 国交省検討 - MSN産経ニュース:





JRの特急料金は2時間以上の遅延の際に全額払い戻しされる。高速道路料金は、どんなに渋滞して到着時間が遅くなっても払い戻しはされなかった。逆転の発想で、高速料金を混雑度合いで割り増し料金を徴収する事を国交省が検討中らしい。




従来までの高速道路の混雑対策と云えば、入り口規制だった。渋滞が発生している高速道路区間への更なる流入を規制して更に渋滞が悪化する事を防ぐ訳だ。




この検討が実施されれば、混雑が予想される高速道路は渋滞するし割高なので、混雑が修まるまで待つか一般道へ迂回するかを選ぶと云う利用者側の自主規制で混雑対策を行うと云う方法だろうか?特定の時期に必ず渋滞を起こす区間は、利用者が通行を止める事で有機的な渋滞対策として上手く機能するカモ知れない。土日祝日や連休は混雑するからと利用者が高速道路を敬遠すれば、混雑対策としては上出来だ。




詳しい情報が無いので詳細は不明だが、例えばゴールデンウィーク期間中は24時間対象区間を割増料金にするのか、混雑が予想される時間帯だけ割増料金にするのか、実際に渋滞が発生したら割増料金にするのか・・・、様々なモデルが容易に想定される。




対象期間対象区間を24時間全時間帯で割増とすれば、強力な渋滞対策として機能するだろうが利用者が減り料金収入が減ってしまうだろう。過去の自民党政権の目玉施策であった1000円高速の真逆の政策となり、レジャーでの高速道路利用に急ブレーキとなるだろう。




予め混雑が予想される時間帯を割増する時間帯と決めておけば、通過時間を工夫して割増時間帯の通行を避けようとする利用者も相当数発生するだろうが、今度は予め決めておいた割増時間以外の時間帯に渋滞が発生するカモ知れない。




実際に渋滞が発生したら割増料金を徴収すると云うのは面白いが、今のETCのシステムでは対応が出来ない(筈)。渋滞が予想される区間毎に、CB(チェックバリア・本線料金所)を設置して、複数のCBの通過履歴を蓄積させて、料金収受の際に計算する・・・事は今のETCでは無理なので、ITSスポット対応DSRC(5.8GHz帯のISMバンド単方向/双方向通信)車載器・カーナビゲーションへと切替なければならない。




現在は、走行経路確認社会実験を行っているのでITSスポット対応DSRC(5.8GHz帯のISMバンド単方向/双方向通信)車載器(4万円ほど)に買い換えて参加すれば20,000円の助成金が出る事になっている。




減額ではなく割増料金と云う発想はアベノミクス的産物だ。デフレマインドを打破する為には、割増料金・追加料金を大衆に普遍的とする必要が在るのだろう。そして、新サービスの為に新システム対応品への買換を迫るのだろうか?





ITSスポット対応カーナビなら、ルート案内中に混雑していて割増料金の発生する区間が表示され、逆に混雑していない割引料金となるルートが案内される事に成るのだろう。




だが、チョット待って欲しい。ITSスポット対応カーナビに買い換えない車両は、料金所の寸前で混雑時割増料金を払わされる事を知るのだろうか?空いている迂回路を思い付く機敏な車は逃れる事が出来、迂回路を思い付けない車は割増料金を払わされて渋滞に嵌まる。私のように平日は仕事があり、混雑が予想される土日祝日・連休・長期の休日にしか高速道路を利用しない層は、混雑時以外は割安となるとしても恩恵に浴せない事に成る。(こんな風に、ITSスポット対応DSRC車載器普及を狙って、高速道路新料金制度をブッ込むなんて国交省のお役人さん腹黒過ぎ!)こんな機能は、スマホアプリで代替されそうなので、国交省のお役人の天下り先としてのITSスポット対応DSRC車載器・カーナビの業界団体を押っ立てて・・・と云う画策は脆くも崩れ去り、高価格化するカーナビの売れ行きは半減し業界団体が潤う夢は潰えてしまうだろう。




我が家の車には、全車2.4GHzと光通信のVICSビーコン受信機を設置してナビと連係させて運用しているので、別にITSスポット対応カーナビに買い換えなくても大丈夫だと思っていたら、15年位前にITSの目玉として次々と設置されてきた2.4GHzのVICSビーコン路側機は次々と故障し廃止されていて、今後続々とITSスポットDSRC(5.8GHz帯のISMバンド単方向/双方向通信)に切り替わりつつあるらしい。自宅近くの2.4GHzVICSビーコンは2年前位のある日から「青江方面渋滞中」を送信しっ放しとなっていたが少し前に撤去された様だ。





現行世代ITSスポット対応DSRC(5.8GHz帯のISMバンド単方向通信)としたトコロで、ITS施策の中では第2ステージでありVICSでは相手にされなかった民間商用施設を巻き込んだ次世代ITSスポット対応モデル(双方向通信)が登場するだろうし、更に次世代では運転補助・運転支援を含む路側機となり、更に次世代では自動運転を可能とするITSシステムとなる筈だ。




国交省が考えるITSサービスが、果たして国民全体の要請に適うのか否かは判らないが、こうして旧システムを廃棄して新たな新システムを立ち上げる互換性を考慮しないシステム更新を次々と計画していくのは勝手だが、そこに料金収受と云う銭絡みのサービスを上手く混ぜている。(国交省のお役人さん腹黒過ぎ!)







こうして、高速道路料金収受の仕様をこんな方向に次々にアップデートしていくのは、良い事とは思えない。料金収受とは切り離してITSサービスを行っていくべきで、ETC機能は台湾のETCシステム(複雑な機械装置やETC専用カード不要)を見習うべきだ。(確か、我が国の技術だったと記憶するが・・・。不正行為云々は、現行のシステムでもナンの抑止力も無いので台湾方式なら現行方式以上に不正が増えるとは思えない。)





ITSサービスは、FMラジオではなく地デジ電波に載せれば良いだろう。もし地デジが、地域毎の公共サービスも担わないのなら、地上波放送なんか止めちゃってキー局がBS衛星でサイマルしている放送を全国で観れば済む筈だ。現在のITSスポット対応DSRC(5.8GHz帯のISMバンド単方向通信)が送出している地デジで置き換わらない狭域 (short-range)通信の例は、リアルタイムに合流接近車があればナビ画面に警告音と共にオーバーラップして表示すると云う機能だが、こんな事の為に莫大な費用を投じる位なら常設の告知看板を掲げておけばITSスポット対応DSRCカーナビを使っていない大部分の車に対する安全性向上への生きた費用となる筈だ。




攻殻機動隊が描く近未来を彷彿とさせるが、従来の2.4GHzのVICSビーコンでも、全線通行止めだった九州道を知らずに走っていたら「♪ピン♪現在、九州道は雪のため通行止めです。次のインターで降りてください。」とナビ画面にオーバーラップで表示させ、間違って次のICを通過すると赤画面に白文字で「♪ピン♪次のインターで降りろ!!」と命令口調で表示させられた・・・事がある。現世代のDSRC(5.8GHz帯のISMバンド単方向通信)を普及させようとするよりも、少なくとも相当数稼働している2.4GHzのVICS電波ビーコンももう少し延命させて頂き、次世代双方向通信のDSRCから下位互換を断念して切り捨てていくべきだと旧システム利用者として願う次第。






開発会社と結託し新システムを導入する為に下位互換を切り捨てるのは、お役所としては間違いだと思うし、ここで新システム対応機への買換を多くの国民に求めるよりは、台湾方式ETCの様な利用者負担が安く収まるシステムも検討頂きたい次第。






何れにしろ、本日開催された道路関係の有識者会議に参加なさる有識者のお歴々は、テクノロジーには端っから御興味も無いだろうし下位互換の考え方も無いだろうから、有識者会議を開いたトコロで、新システム開発業者と結託した腹黒い国交省のお役人さん達の描いたシナリオ通りに、DSRC搭載ETCでの高速新割引制度へ進んでしまうのだろうなぁ〜。

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