2015年3月12日木曜日

あなたのお掛けになった電話番号はパケット通信中です

知人が私の携帯宛に電話を下さったそうだが、ナンでも「あなたのお掛けになった電話番号はパケット通信中です」とドコモ網側の自動音声が流れたのだそうだ。その方は、以前聞いていた電話番号はデータ通信用に代わっていて音声通話が使えないと思いメールを下さったのだそうだ。
そんな事は無いだろうと、事務所の電話で電話をしてみるが普通に呼び出し音が鳴り、iPhone6Plusが鳴動している。知人の方の環境が「ひかり電話」等のIP電話網の可能性もあるので別の事務所から着信を試した。だが普通に呼び出し音が鳴り普通にiPhone6Plusは鳴動している。



私はドコモの有料オプションであるキャッチホン契約を利用している。

通話中にかかってきた別の電話を信号音(通話中着信音)でお知らせします。お話し中の通話を保留にしたまま、あとからかかってきた電話を受けられます。
お申込み:必要
月額使用料
200円
POINT 1
簡単なボタン操作。通話相手を交互に切替え可能
重要な電話を待っている最中でも安心して通話ができます。あとからかかってきた相手とも簡単なボタン操作で切換えができます。
POINT 2
通話中に別の相手に電話をかけられる
FOMAをご利用のかたは、通話中の相手に待っていただきながら、別の相手と通話することができます。
https://www.nttdocomo.co.jp/service/communication/catch_phone/
(実際は、オプションパック・・・「メロディコール」、「留守番電話」、「キャッチホン」、「転送でんわ」の4つのネットワークサービスを全てご契約いただくと月額使用料が400円に。を利用中だ)


実験してみた。WiFiを使用しないにしてFOMA網に接続している事を確認後、事務所の電話1と通話状態にして、事務所の電話2で自分のiPhone6Plusに電話した。Bingo!である。(因みに、WiFi環境に接続している時にはキチンとキャッチホンは機能している。WiFi無しLTE網の環境では試していない)

何故だろう?

ドコモ客相に電話しても、どうせ繋がらないだろうからググってみた。

https://www.nttdocomo.co.jp/service/communication/catch_phone/notice/

ご利用上の注意事項の「(7)データ通信を行っている時」にはキャッチホンは利用出来ないと書いてある。スマホだからと云うベキではないが、スマホを便利に利用する為のサービスを利用すると所有者の意志に反して勝手にデータ通信を行ってしまうモノだが、そんな折にはキャッチホンサービスが機能しない。有料オプションの筈のキャッチホンが機能しないシチュエーションが地方都市や都市間移動中では頻発する事を発見した訳だ。キャッチホンが機能しなくても、「ご注意事項」に明記されているからドコモは免責なのだろう。だが、心境としては、キャッチホンサービスが使えない理由は、そもそも他の電話と電話中だからであり、ドコモ網が電話してきた相手に返すのは「あなたのお掛けになった電話番号は他の電話と電話中です」であるか、普通の話中音(ツー・ツー・ツー)であって欲しい。技術的に不可能だとは思えない。話中が接続出来ない理由なのに、パケット通信中を言い訳に持ち出すとは盗人猛々しい。大事な用件で電話してきた相手が、パケット通信中で遊んでいるから電話が掛からないと思われたら不景気の世の中生き残れないカモ知れない。

だが、問題は別の処にある。

(私は、携帯電話がデジタル化した時、発番号通知がキチンとなされる事に驚き、それに併せて周章てて自宅もISDN化した世代だが)今の携帯電話しか知らない世代は、電話を掛ければ着信歴・・・この場合は「不在着信」が残るので、相手が都合の良い時に折り返して掛けてくれるだろうと云う期待が存在するのだそうだ。

電話には出なくても着信通知は届く・・・と思う暗黙の了解が存在するとすれば、スマホでキャッチホン契約を結んでいると地方都市や都市間移動中では「不在着信」が残らない事態が頻発する事になってしまう。(キャッチホン契約を結んでいない場合なら、データ通信中に更に他の電話と電話中に着信があった時に不在着信が残るのか否かは検証はしていないので判らない)

デジタルmova網とFOMA網で、当のドコモが次世代移動体通信サービスとしてアピールした利便性を提供する有料サービスを、急速なスマホ普及が反故してしまっているのだ。

単に通信費だけの問題では無くスマホからガラケーへの逆行現象が、技術先進国と云われた我が国で起きている事への説得力のある説明は今まで見出せなかったが、こう云った事も大きなウエイトを占めているのでは無いかと思い至った。


日本独自のW-CDMAが網として提供していた先進的サービスはフィーチャーフォンをガラケー(ガラパゴス携帯電話)として進化させた。他の国のUMTSサービスではないガラパゴスなIMT-2000だったのだが、そのガラパゴスな部分が他国の標準化されたUMTSサービス網上では上手く機能しないと云う事だ。


既に国内ガラパゴス網に準拠した通信事業者主導型のガラパゴス・スマホは下火となった今日に於いても、ドコモ主導でLTE-Advanced網は拡張性の高さから更なるガラパゴス化を進めている。我が国のガラケー端末メーカーが世界戦略で敗れ去った理由は、ガラパゴスな次世代移動通信システムが世界制覇出来なかった事にある。標準化された規格の中で独自性を発揮出来る端末が世界シェアを争う時代となった。拡張仕様を強いるドコモが導く未来に従う端末メーカーは、拡張仕様の通信網を構築する企業グループしか残っていない。技術を誇り全世界にドコモ仕様のガラパゴス技術を普遍化しようとする野望を持ち続けているドコモは土管屋に徹する気は無いのだろう。企業や商品やサービスのグローバル化が進んだ今日、ガラパゴス化した先端インフラ技術を国際標準へと普遍化させる事は不可能だと思うのだ。単なる土管屋にならない為に先端的独自技術に裏打ちされたサービスプロバイダーへ昇華するべきなのに、独自仕様の網に拘っているとガラパゴス化と云う警句の通りに「孤立した環境(日本市場)で「最適化」が著しく進行すると、エリア外との互換性を失い孤立して取り残されるだけでなく、外部(外国)から適応性(汎用性)と生存能力(低価格)の高い種(製品・技術)が導入されると最終的に淘汰される危険に陥る」事になる。


次期5G網こそは国際標準仕様で(安く簡単に)組み上げれば良いと思うのだが、世界市場へ力強く語りかけようとしているドコモには、ユーザーや業界の声は届かない「あなたのお掛けになった電話番号はパケット通信中です」

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