2015年7月9日木曜日

たばこを吸い続けますか?それとも人間辞めますか?

何故あの人がこんな事件を起こしてしまったのか?凶暴化する禁煙者が引き起こす凶悪事件が増えている・・・のだそうだ。私自身の友人も「真面目なあの人が何故こんな事件を起こしたのか?」と思ったニュースに接して絶句した事がある。その友人の奥様に聞くと・・・「たばこを止めてから怒りっぽくなっていて、チョットした事でも火の着いた様に怒り出して手が付けられなかった」と云われていた。ひょっとしたら、ニュースで報道された「あの事件」の陰にも禁煙補助剤チャンピックスが在ったのカモ知れない。


別ブログ過去記事「副流煙で肺ガンに・・・ 2012-05-31 19:28:19 」にも書いたが、禁煙補助剤チャンピックスは「昨年(その当時の昨年なので2011年)の『使用上の注意』改訂で『めまい、傾眠、意識障害等があらわれ、自動車事故に至った例も報告されているので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。』となっ」た。我が国でも歴然と交通事故原因にマークされている。服用者は自動車の運転をしてはいけないらしい。その当時の「FDA(アメリカ食品医薬品局)の報告では『重い抑うつや焦燥、興奮、行動変化を生じ、さらには攻撃的行動や衝動的行為に至った重大な事例も起こりうる』としている」。FDAでは、禁煙補助剤チャンピックスは、何かヒトの心に得体の知れない変容をもたらす事を報告している。

心筋梗塞をやらかした私に担当医は、退院後の為に禁煙補助剤チャンピックスを処方しようとしたが、自動車の運転が出来ないのは困ると拒否した。(因みに、その当時の担当医は、『使用上の注意』改訂を御存知なかった。そんな事は無いと言い切られたが、調べて出直して来いと病室から追い返した)

そして、最新のFDAの有害事象報告システムでは殺人や暴力といった他害行為の危険性を18.0倍高めると報告されている。

禁煙補助剤チャンピックスによる殺人や暴力といった他害行為が有意に増加する事らしいのだが、同じ機序で作用する肥満防止剤でも殺人や暴力といった他害行為が有意に増えていて注意喚起がされ米国では市販薬(スイッチOTC)に降りていた肥満防止剤も米国でも要処方薬に戻っている。

禁煙補助剤チャンピックス:バレニクリン (Varenicline)の作用機序は、、これらのニコチン受容体に取り憑いてニコチン受容体を弱く刺激し続けるパーシャルアゴニスト(部分作動薬)として働く刺激薬と、ニコチンのニコチン受容体への結合を妨げ、その作用を弱める競合的アンタゴニスト(拮抗薬)として働く。

ニコチン受容体と云うと、ヒト族は生まれながらに喫煙をする前提で進化したと思われてはいけないので訂正を加えると、そもそもニコチン受容体とはイオンチャネル型のアセチルコリン受容体の事である。そもそもイオンチャネル型のアセチルコリン受容体のリガンド(相手)はニコチンではなくアセチルコリンと云う神経伝達物質の筈だったのだが、植物が作るアルカロイドであるニコチンがアゴニストとして働くのでニコチン受容体と呼ばれている。

ニコンチン受容体は、中枢神経だけではなく骨格筋細胞や末梢神経等々の全身の細胞に存在している。だが、ニコチン依存症に関係があるとされているのは、神経伝達物質としてドパミンを使用している神経細胞(ドパミンニューロン)である。

ヒトを含む動物の脳内の神経回路のひとつに、「報酬回路」と呼ばれるネットワ ークがある。中脳の腹側被蓋野 から大脳辺縁系の側坐核へ投射するドパ ミンニューロン群は、この報酬回路の一部を形成している。報酬回路は、人に誉められたい、好かれたい、等の欲求が満たされたときや満たされることが十分 に推測できるときに活性化され、快感や満足感をもたらす。この活性化に重要な 働きを担っているのが、ドパミンニューロン群からのドパミン遊離である。

報酬回路の本来の役割は、ヒト(動物)が社 会(周囲の環境)に適応した行動を選択するように動機づけることである。ところが、外来性のニコチンの作用でドパミンが遊離されて報酬回路の活性化が繰り返されると、シナ プス後膜のドパミン受容体数が減少し、受容体の感受性が低下する。こうなってしまうと 報酬回路は本来の役目を果たせないばかりか、喫煙者はニコチンを切望するようになり、 ニコチン欠乏により精神的、身体的に様々な不快な症状を来すようになる(ニコチン禁断症状)。更に、喫煙者は禁断症状を和らげるために喫煙を繰り返してしまう。

当の受入相手のアセチルコリンやニコチンなら、神経終端でドバッとドパミンが放出されるのだ。長年、外来性のニコチンを摂取しニコチン受容体を刺激し続けていると、ニコチンと相性の良い受容体が増えて本来のアセチルコリンと相性の良い筈の受容体は減ってしまうのだそうだ。

この状態が喫煙者の中枢神経である。悲しいかな、たばこ税や日本国有鉄道清算事業団の残債等々の為にたばこ中毒に陥れられた人間は、既に喫煙者の中枢神経になっていて、元に戻るのか否かは判らない。そして、沢山に増えてしまったニコチンと相性の良い受容体に禁煙補助剤チャンピックスが取り憑いて、弱く刺激し続ける訳だ。18禁的表現を使えば「決してイカさない焦らしプレイ」を続ける訳だ。

尚、余談かも知れないが、ニコチンは依存性薬物のなかでpsychotoxicity(精神毒性)がない唯一の物質である。このことは、自動車の運転など高度の注意力を要する作業に喫煙が障害にならないという事実からも容易に理解できようが、実験的にもニコチンを静脈内に自由無制限に摂取させ、あるいはシガレットとして自由に喫煙させても、急性的にも慢性的にも異常な行動や精神症状はみられないことが確認されている。更に余談かも知れないが、禁煙補助剤チャンピックス:バレニクリン (Varenicline)の方は、psychotoxicity(精神毒性)が報告されている。psychotoxicity(精神毒性)とは、「薬物によって起こる病的な精神状態。意識障害を中心とする外因性精神障害」の事だ。

禁煙補助剤チャンピックスで禁煙に成功しても、殺人や暴力といった他害行為の危険性を18.0倍高めるリスクの説明は医師から受けなかった人が大半なのだろうと思う。私が薦められた当時でも医師は『使用上の注意』改訂を知らなかった。意思さえ強固なら、殺人や暴力といった他害行為の危険性を18.0倍高められても大丈夫なのカモ知れないが、私の知る数人の禁煙補助剤チャンピックスで禁煙チャレンジ中だった方(禁煙を断念された方も含めて)、その家族からは「タバコを止めて非常に怒りっぽくなった」と聞いた例は枚挙に暇無い。殺人や暴力といった他害行為の危険性を18.0倍高められると云う事が、禁煙補助剤チャンピックスを経験していない私には判らないが、怒りの衝動をを抑えられないと作用するのだろうか?

精神毒性が無いニコチン依存症を治療する為に、精神毒性が報告されている禁煙補助剤チャンピックスを公的補助を付して医療行為として行おうとは・・・、精神障害で苦しむ人を新たに生み続けている事に社会が気が付く為には、何人の不幸な方々が犠牲になれば良いのだろうか?

これから禁煙にチャレンジしようと思し召す方が、運良く拙ブログを御覧に成られたら、禁煙は「禁煙アプリ」や「禁煙パイポ(死語?)」と自らの意思で闘うべきで、絶対に禁煙補助剤チャンピックスには頼らない禁煙をお薦めしたい。で、もしも、禁煙補助剤チャンピックスに頼らなければ禁煙が出来ないのだとしたら・・・、禁煙をキッパリ諦める潔さも人生では寛容だと考えるべきだ。







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