2016年3月4日金曜日

南海地震の前兆現象?





2月29日の夜中に高知県南国市などで謎の衝撃波!?高知新聞2016年03月02日08時14分

 2月29日未明、高知県南国市や香南市などで揺れや音を伴う「衝撃」を感じた人が多くいた。「ゴゴゴという地鳴りがした」「ドーン!というすごい音がした」といった声があるほか、ネット上でも地震ではないかと一時騒ぎとなった。いったい何だったのか?

 体験した人の話を総合すると、「衝撃」があったのは29日午前1時10分前後。県中東部の安芸市や香南市、南国市のほか、高知市でも感じた人はいる。

 「縦揺れがした」「子どもが地鳴りで目を覚ました」「ものすごく速いものが横を通った時の衝撃波のように感じた」などの体験談が多い。香南市野市町の女性は「家がミシミシとして、地震だと思った」と話す。「外が光った」という証言もある。

 地震説が多いようだが、高知地方気象台は「体に感じない揺れも含め、この時間帯に地震は起こっていない」とする。さらに、当時の気圧配置は安定しており、四国の南海上の雨雲も何十キロも離れていたことから、竜巻を含む突風や雷の可能性も「まずないだろう」としている。

 では、隕石(いんせき)か!? これについては国立天文台(東京)が「隕石なら多くの目撃情報があるのが一般的。ネット上にも情報があふれるので…。今回は目撃情報はないんですよね?」と、やんわり否定する。

 戦闘機などが音速飛行したときに、激しい爆発音のような音と衝撃波を発生させる「ソニックブーム」という現象もある。 これについて中国四国防衛局報道室は、自衛隊機の飛行情報などは「ない」とし、米軍機だった可能性についても「午前1時の訓練はないのではないか」との見方を示す。在日米軍の動向を監視している民間団体のメンバーも「米軍は日曜日にあまり訓練をしない。よほどの緊急事態でない限り、午前1時に飛行はしない」と話す。

 結局、真相は謎のままだ。

 実は同じような現象は2月8日、福島県いわき市でも起こっている。この時は午後3時半ごろで、警察のヘリコプターが出動する騒ぎにもなったが、原因は分かっていない。地元紙の福島民友新聞の記者は「似てますね。何か関係があるのでしょうか」と話している。


(元記事が消えるので一応全文を引用)
#ちょっと家庭内がバタバタしていてボケ防止にブログを書くと云う作業から遠ざかっているのだが・・・

この現象は、高知県御出身の「天災は忘れた頃にやってくる」と云う標語で有名な寺田 寅彦博士(戦前日本の物理学者、随筆家、俳人)の随筆「怪異考」にはらみのジャン」と書かれている現象だろうと思われる。
怪異考「寺田寅彦随筆集 第二巻」小宮豊隆編、岩波文庫、岩波書店  1947(昭和22)年9月10日第1刷発行 1964(昭和39)年1月16日第22刷改版発行 1997(平成9)年5月6日第70刷発行 インターネットの図書館青空文庫
当の寺田 寅彦博士も茨城県八郷町(現 石岡市)で数度同じ様な現象を体験されていて短周期弾性波だと看破されて居られ地殻ちかく表層に於ける歪みの開放現象だと推察なされている。

その推察が正しいか否かは別として、このはらみのジャン」が南海地震の前兆現象で、間もなく南海地震が発生すると云う考えには私は賛成できない。

高知県でのはらみのジャン」は約150年前に確認されていて、それが1946年(昭和21年)12月21日 昭和南海地震の前兆現象だとすれば、凡そ7〜80年後まで待たなければ成らないだろう。勿論、何度も何度も発生しているから多くの人々の耳目に接しているのだろうから、そのどれから地震の前兆現象だと考えるよりは、地震とは直接関係の無い自然現象だと考えた方が論理的だとは思う。

但し、東日本大震災の前に福島県沿岸部では何度か地鳴りが報告されていたのだそうで、何度か複数回に亘る地鳴りは要注意なのカモ知れない。茨城県沿岸部では昨年末来、1月4/5/6日辺りには首都圏全域の沿岸部で、複数回の謎の地鳴りが報告されている。

寺田 寅彦博士の頃には微細な地震を観測する地震計が全国に設置されていなかったのだが、今日では日本全国に微細な地震も見逃さない地震計網が設置されている。2016年正月明けから報告が続いていた首都圏沿岸部の地鳴りだが、首都圏に設置された高感度地震計網では大地の揺れは観測されていないのだそうだ。

地鳴りは大地の揺れと云うよりも大気の揺れである空振の可能性が高く、大きな空振は遠く(数千キロメートル)離れた地域で観測される事も多く報告されている。1986年の伊豆大島三原山噴火の際には、首都圏の広範囲な地域で「風が無いのに窓ガラスや雨戸が振動するのみならず、閉め切った屋内の建具が揺れるといった現象が、大島から2~300km離れた栃木県や茨城県でも観測された。」のだそうだ。

それと、これは文系の私ならではの突飛な思い付きに過ぎないが、昨今の日本上空の偏西風の蛇行に因って空振が発生している可能性も在るのではないだろうか?平時の流速でも時速120Km位だとされるジェット気流だが、流速が上がる冬場の、更に蛇行が折り返される地点では瞬間的に時速400Km位で流れていると報告されている。この折り返し部分で流速が遅い周辺大気流との衝突も考えられ、それが原因で発生している空振もあるのでは無いかと思うのだ。(そう思って、この年末年始の偏西風マップを見れば首都圏広域での地鳴りの原因は、ジェット気流なのカモ知れないと思えてしまう)

こうした地鳴り報告が宏観異常現象なのか否かは私には判らないが、徒に恐れるのではなく、然りとて無視するのではなく「天災は忘れた頃にやってくる」との心持ちで、いつ発生するカモ知れない最悪の事態でも自らと周囲の人の命を救う為の行動が迅速に取れるように心構えをしておく事に勝る防災は無いと信じている。その為には、防災用品を買い漁るよりも自宅や職場の家具や什器の転倒防止や受傷防止の工夫を重ね、防災の観点から通勤通学路を見直し通行する道も考え直すとか、防災の観点から立ち寄る店を選ぶとか、日常生活の時々に滞在している場所からの安全な避難経路を再検討するとか、その瞬間を生き延びる為の工夫にこそ周到な準備を行っておくべきだと思う。その瞬間を生き延びなければ苦労して買い集めた防災備蓄品は全て無駄になってしまうのだ。

中国地方を挟んで日本海側太平洋側で様々な宏観現象が報告されている事こそが地震の前兆と云うより、この機会だからこそ、それぞれの家庭や職場で再び命を救う防災を考え直すチャンスだと捉まえるべきだと思う。

高知県での地鳴り報道についてのお問い合わせが多かったので、ネタにさせて頂きました。取り敢えず、御安心下さい。そして、お互いに最悪の事態に備えて命を救う行動を迅速に的確に行える様に備えて参りましょう。

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