2017年5月24日水曜日

映画「メッセージ」を観た

SF映画だ。SF映画のSF成分とは、SF好きを惹きつけるエッセンスに過ぎず、単なる大道具に過ぎない・・・と、私は予てから思っている。(でも、SF好きとして、そのエッセンスで惹きつけられて映画館に足を運んでしまうのだが・・・)


もしSF的な大道具を全部取っ払って、この映画の主旨を考えれば、1つは「サピア=ウォーフの仮説」であり、もう1つは「宿命論」の受容だろうか?言い換えると1つは「外国語を学ぶと、世界の見え方が変わる」であり、1つは「未来を知っても、自分の人生を変えない」だと思う。




SF的大道具と云えば、少なくとも3000年を俯瞰する時空認知を得ている頭足類系異星人(乃至は、3000年後の未来からに現代にタイムワープし、3000年後に戻る能力を持つ頭足類系異星人)、量子ワープ、重力制御、放射線や電磁波を全く出さない未知の動力、「サピア=ウォーフの仮説」が時空間理解も担うのか、次元を重畳する表意文字としてのロゴグラム、そして、最大のSF的大道具の2つが、急に幻影を頻繁に見る様になっても精神科医の門を叩かない金持ちの米国人、米国の問い掛けに素直に返答しない未知の敵に武力行使せずジッと忍耐する米軍、・・・だろうか?




ここでSF的大道具の科学的検証を、素人の私が考えても虚しいだけだが、予てからの持論では、ゴータマ・シッツダルタと云う紀元前のインド辺境に実在した世界最大の哲学者が説いた宇宙論に最も近しい「この宇宙は有限複素平面と云う2次元空間こそが実体で、それを3次元的に投影された世界を我々は認識していると云うホログラフィック宇宙論」を信じているので、実体の2次元空間での時間軸は虚数で表される事からも、我々が認識しているツモリの3次元空間よりも時間に於ける過去現在未来よりは許容度が広い事からも、アリかな?と思える。量子ワープに関しては、電子や光子と云った既知の量子だけではなくフラーレン60(炭素原子60個で構成されるサッカーボール状の構造を持ったクラスター)でも二重スリット実験等で量子的振る舞いをする事が確認された事から、ホログラフィック宇宙論の信憑性と同時に、更に高次のクラスターや物質でも量子的振る舞いをさせる事も将来的には不可能では無いのかも知れないとの仮説が出ている事から、光速に制限される見せかけの宇宙とは異なる実体宇宙では異なる超航法も想定されるだろう。




もし我々の宇宙の実体が有限の複素平面だとして「サピア=ウォーフの仮説」が、虚数時間軸の理解に及ぶかは判らないが、自らの実体を認識する緒に成り得るとする着眼点は評価出来る。だが、急に幻影を頻繁に見る様になっても精神科医の門を叩かない金持ちの米国人、未知の敵に武力行使せずジッと忍耐する米軍、と云う最大のSF的大道具に関しては全くの意見は思い付かない。(但し、総てのSF作品が、実際に想定可能なSF的背景を大道具として製作される訳でも無いだろうから・・・、大いなる笑える嘘として「米国の問い掛けに素直に返答しない未知の敵に武力行使せずジッと忍耐する米軍」を用意したのカモ知れない)




もう1つのテーマである「宿命論」は、ホログラフィック宇宙論と合わせて考えると、自分自身の人生がクソ面白く無いモノに変貌する危険性を秘めている危険思想なので・・・、今回は割愛すべきカモ知れない。映画等のフイクション創作物を楽しめる寛容さを持ち合わせているのならアカシックレコードに触れても、当作品の主人公の様に強く生きていけるのカモ知れない。前述の釈迦の世界観だが、悲しいかな当時のインドの普遍的な考え方であるアガスティアの葉の影響を強く受けている所為か、宿命論的である。この部分に関しては、後世に再構築された仏教の方が「願えば夢は叶う系」の要素が強まり夢や希望を感じ易く出来ている。当作に於いてルイーズは、自ら自身の中にあるアガスティアの葉に従って正解を導き出した。だが、正解を導き出さない世界軸は描かれないので、果たして、そう云う世界軸が存在するのか否かも判らない。だが、ルイーズの今後の人生の中で、それと戦っていくのだと信じたい。(尚、仏教では一念三千として、自分の念ひとつを変えることによって、三千世界{百界×十如是×三世間=三千}の生命が呼応し、未来が変わると云う裏技も紹介されているが、その裏技を使ったプレイヤーの名は記されていない。この考え方はディズニーでもライセンスされている





そんな訳で、別ブログで展開していた映画シリーズも、見てしまうと映画を愉しめなくなる酷いネタバレなので、映画館で映画「メッセージ」をご覧になる予定の方や、将来TV放映時に映画「メッセージ」を観ようと思っている方は、絶対に以下のネタバレを絶対にご覧にならない事を強くお薦めする。
































ネタバレあらすじ

量子ワープ(巨大宇宙船規模の量子テレポーテーション)や重力制御と云った超科学を持った頭足類系の異星人達の文明が3000年後に重大な危機に瀕した際に、地球人類が彼らを助ける見返りとして、今、時間を俯瞰する能力を持つ言語を贈り物として携えた12機の巨大UFOが来訪した。

女性言語学者ルイーズ・バンク博士は、米国政府がヘプタポッドと名付けた異星人の言語を学び、完全にマスターした未来の自分自身からの影響を受け自分の全人生全記憶を俯瞰する能力を得て、異星人との戦争突入の危機を脱し、地球統合政府樹立への礎となった。

共にヘプタポッドとの意思疎通を図るチームで出会ったイアンと結婚し娘ハンナを授かるも娘ハンナを不治の病で若くして亡くす事を、イアンとは未来予知で知った娘の不幸を共有できずに離婚する事も、知っている。

未来を知っても自分の人生を変えない覚悟を決めて、未だ産まれていない最愛の娘ハンナに「あなたの人生の物語」を語りかけようとしている。

















































詳細なネタバレ


ルイーズ・バンクは、愛しい娘との様々な記憶を思い出していた。娘を出産した時の事、娘が幼い頃の事、可愛い盛りのおしゃまな娘の事、そして、年頃の娘に不治の病気で先立たれた記憶。様々な場面の娘との人生の物語が止め処なく脳裏に蘇っていた。


ルイーズは、言語学の大学教授だった。その日、巨大UFO襲来の噂が流れた所為かクラスへの出席者は少人数だったが、講義を開始した途端、生徒達のスマホに緊急通知が次々と届き、生徒に請われTVを着けると臨時ニュースが流れていた。アメリカを含め、日本(北海道)、中国、イギリス、パキスタンなど、世界中で同時に12ヶ所に巨大な飛行物体が現れたという。


その日は休講となり、まもなく世界中は巨大UFOから逃れようとする人々で大混乱に陥った。不安がる母と電話で話しながら帰宅し、臨時ニュースを流し続けるTVを観ながら寝ついたが、見る夢はやはり、様々な場面の娘との人生の物語だった。翌日も大混乱が続く中、独り大学へ出勤してみたが、キャンパスには人影は見当たらなかった。






ルイーズが研究室でパソコンを眺めていると、そこへウェーバー大佐がやってきた。湾岸戦争当時の米軍への協力実績から、異星人とのコンタクトへの後方支援を要請された。ルイーズは、コミュニケーションの基本は直接的な対面だと持論を展開したが、ウェーバー大佐に却下された。恐らく、ルイーズも心当たりがある他の第一人者に鞍替えするのだろうと思い、伝言を依頼する。





異星人襲来を不安がる母からの電話を受けながら自宅に帰り相変わらずの報道特別番組を眺めて過ごしながら、様々な場面の娘との人生の物語が止め処なく脳裏に蘇っていた。その夜、予告も無くウェーバー大佐がルイーズを自宅まで迎えに来て、彼らは米国での巨大UFOの出現場所であるモンタナ州のサイトまでヘリで移動した。ヘリに同乗していたのは、物理学者のイアン・ドネリーだった。物理学者らしく数学こそが宇宙での知的生命体同士の共通語だと信じていた。ルイーズとイアンは、共同で異星人とのコンタクトにあたることになった。





モンタナ州のサイトは、広大な麦畑の中に米軍のキャンプがすでに設営されており、他の11サイトと回線をつなぎ、随時情報交換を行っていく段取りとなっている。ルイーズとイアンの前任者は任務遂行不能となって退去するらしい。メディカルチェック、予防注射(何の?)を済ませると、早速ルイーズ、イアンは第1回のコンタクトへと臨むことになった。





彼らの宇宙船は全長450メートルと、超巨大な縦型の黒い未知の浮遊物体で、18時間おきにコンタクト目的で最下部に開口部が現れた。開口部から入ると、途中で重力エリアを経て重力が反転している。高度な重力制御が行われていて異星人の科学力は人類を大きく凌駕して居る事は想像に容易い。彼らは壁伝いに垂直に歩いて最奥部へと向かった。


最奥部は、ガラスのような透明な仕切りが出来ており、その仕切の奥に、知的生命体は凡そ収斂進化の適合を受けるとの常識を覆す頭足類(タコ・イカ)のような足や形状をした異星人が2体霧の中に動いていた。7本足である異星人らの形状から、米軍は「(ギリシャ語の数字の7から)ヘプタポッド」と呼んでいた。





最初のコンタクトでは、ルイーズはショックを受け何もする事ができなかったが、ウェーバー大佐から前任者より遥かにマシだと評される。2回目のコンタクトでは積極的に音声でのコミュニケーションを試みたが、彼らとのコンタクトには音声ではなく文字での対話が必要だと判断したルイーズは、次のコンタクトではフリップに「HUMAN」と書き自らを指し、更に周囲の制止を振り切って防護服を脱いで彼らに親愛の情を見せた。





すると、彼らの側からも、触手の先から墨を吹いて円環状に形成される文字状のメッセージ(ロゴグラム)を返してきた。彼らは、それを持ち帰って解析するとともに、ヘプタポッドの2体にコステロ、アボットと呼び名を付けた。





米軍上層部からは言語学的研究作業で時間を浪費せず、急いで「異星人が地球に到着(Arrival)した目的を聞き出す」事をルイーズに迫るが、カンガルーの逸話・・・初めてオーストラリアに到着(Arrival)したイギリス人海軍士官 ジェームズ・クック船長らが、おなかの袋で子供を育てて後ろ足で飛び跳ねる謎の生物に驚いて、アボリジニに「あの動物は何んと呼ぶのだ?」と英語で聞いた処、「カンガルー(理解できない)と現地語で返した・・・と云う逸話。因みに、正しくはカンガルーとはアボリジニ語で飛び跳ねるモノと云う意味で、言語学者のルイーズ・バンク博士は、これが全くの嘘の逸話だと知った上で・・・「全く言葉が通じない者同士で会話を行おうとした事から,大きな間違いが発生する可能性があり、それが取り返しがつかないケースに至りかねない」と云う危険性を説いた。当時のオーストラリアで行われた虐殺を知って居るウェーバー大佐も事の重大性を理解し上層部と掛け合ってくれた。





しかし、彼らがコンタクトを続けている間も、世界各地での混乱は継続し、人々の間に恐怖が蔓延していた。マスコミは人々の不安と伝え、超科学を持つ異星人らが人類を滅ぼす可能性を強く示唆し始め武力での徹底抗戦を語り、煽動された人々は世界各地でデモや暴動を起こしていた。





セッションが進むとともに、彼らはフリップから様々な単語を説明し、それに対してヘプタポッドたちが彼らの側の対応する円環状のメッセージを返す、という地道な作業が続いていった。ここでルイーズは気が付く、異星人らは相互の翻訳を手伝っている訳では無く、異星人らの言語を教えようとしているのだ。ルイーズは心情を理解し、透明な壁に手を置いてヘプタポッド達に親愛の情を示すとヘプタポッドも触手を重ねてきた。異形の異星人だが、相互理解が可能なメンタリティを持っていると確信する。





この経験以前は、夢や半覚醒状態でしか娘との人生の物語が蘇らなかったが、それ以来ルイーズは起きている時にも度々自分の娘との人生の物語が頭に閃くようになった。(蘇るビジョンも鮮明になって来た・・・そこで娘と居るルイーズは今より歳を取っているらしい、夫の顔はモヤって見えない)但し、ルイーズが覚醒している際に、自分の娘との人生の物語が頭に閃くと「何?これ?」と独り言を云うので・・・心当たりが無い光景なのカモ知れない。





中国ではシェン上将が率いる部隊が対応に当たっていたが、確たる成果を出せずにいるらしい。彼らはマージャンゲームを用いての対話を試みようとしているらしい。ルイーズは、次のコンタクトまでの18時間の大半をヘプタポッドのロゴグラム解析に費やし寝不足となっていて、眠れば必ず夢として自分の娘との人生の物語を何度も見るようになっていた。夢の中で、娘の父親とは離婚しており、ルイーズは娘の将来(若くして不治の病に罹り命を落とす)を知っていて、その上で強い愛情を持って娘を理解し支えようと懸命に生きているとの人生の物語だ。





ロゴグラムの解析は主に単語単位での大幅に進んだが、ロゴグラムとして重蔵する多次元での意味理解は全く不完全だが、ついにルイーズは「Youは何しに地球へ?」と尋ねた。異星人は、ルイーズに対して「あなたに武器を与えに来た」とメッセージを返した。「あなたに=ルイーズに」なのか「あなたたち=地球人類」なのか「あなたたち=米国」なのか、ルイーズが最先端として得た知見を共通認識として与えられていた筈の連携していた12のサイトが我先に異星人から与えられる武器を独占しようと連携を絶っていった。そして、ルイーズのいるサイトも米国政府の命令で他国との連携を絶った。





それを知った他の軍関係者(特に中国)は、実は異星人たちが侵略を開始するのではないかと疑い始め態度を硬化させていった。米国政府も、中国人民軍が異星人に攻撃を加えたら全世界に展開する12隻が連携して恐らく反撃を開始するだろうとモンタナ州のサイトの閉鎖を決定し退去命令が出た。





そして、シェン上将が率いる中国人民軍はとうとう24時間以内に地球外に退去しないと先制攻撃を行うと異星人に宣戦布告するに至った。ロシアやスーダンなどがその動きに同調するようだ。しかし、ルイーズは彼らが戦争を企図していようとはとても思えず、「武器」についての解釈をもっと深めようとウェーバー大佐に進言していた。





米軍もモンタナ州のサイトから撤退を開始した。ルイーズとイアンは、撤退直前の37回目のコンタクトセッションで何とか彼らの真意を確認しようとした。しかし、そのセッションでは、ルイーズとイアンと同伴する筈の護衛兵達が内部から宇宙船を破壊しようと時限爆弾を仕掛けていた。爆弾を仕掛けた護衛兵達は同伴しなかったが、それどころでは無いルイーズとイアンはコンタクトを開始する。ルイーズとイアンの直ぐ背後に置かれた機器に紛れて巨大なコンポジションC-4の起爆装置のカウントダウンが続いているのだが、知る由も無い。ルイーズは問題の核心である質問を矢継ぎ早に繰り出すが「あなたの武器を使え」と強く告げた(ヘプタポッドのロゴグラムは、線が細いと穏やかな感情、太いと強い感情を表している)






時限爆弾が爆発する前、ヘプタポッドたちはこれまでにない大量のロゴグラムを吐き出した。透明な隔壁は無数のロゴグラムで埋まった。そして、アボットは、爆発と同時にルイーズとイアンを謁見の間から念動力(か、重力制御)で保護しながら念動力(か、重力制御)で入り口通路へ突き飛ばし、入り口通路との隔壁を閉鎖し爆風や爆発の影響を最小限に抑えてくれる協力をしてくれた。これをきっかけに世界中の12機の巨大UFOは、300m上空へと場所を移動させた。








気絶していたルイーズがキャンプの医務室で目を覚ました。先に目覚めたイアンは、このセッションで得た大量のロゴグラムを解析し、「時間」と云う単語が随所に盛り込まれたロゴグラムである事から時間に関するメッセージであることに気づいた。ロシア軍がいよいよ戦闘行動を開始したとの情報が入り、軍隊は撤退準備を急いでいたが、その時ルイーズは独りモンタナサイトの巨大UFOの方へ駆け寄っていった。





巨大UFOからは、ルイーズを内部に迎え入れる為の小型ポッドが射出され、ルイーズはそれに乗ってコステロと直接対面した。アボットが居ない事に気付いたルイーズに、あの爆発でアボットは大怪我をし瀕死の状態であると聞く。コステロは、彼女に教えたヘプタポッドのロゴグラム自体が、彼女と人類全体への贈り物=武器であると説明した。ここでのコステロとの会話は非常にスムーズだった。コステロは英語を話す事はしなかったが、実はルイーズの英語を聞き取り理解する事は出来ていたのだ。3000年後に彼らの文明に起こる危機への対処に地球人類に協力してもらう見返りとしての贈り物なのだそうだ。





巨大UFOから帰還したルイーズを迎えに来たイアンに軍用車の後部座席に乗り込む為に支えられた際に、ルイーズは「何故、夫が私と離婚したか、今解った」と呟く。それを受けてイアンが「君が結婚していたなんか知らなかった」と云う。ルイーズは確信した何日間か前から体験し始めたビジョンは、自分の未来の体験なのだと。







イアンは、最終セッションで得た「時間」と云う単語が随所に盛り込まれた大量のロゴグラムを解析していたが空白部分が多く12箇所全部のロゴグラムのデータを統合しないと全体の翻訳が不可能だと告げられる。






サピア=ウォーフ仮説に基づくと、ヘプタポッドのロゴグラムを理解する事は、自分の未来を見通せるようになる事を意味していた。そして、このコステロの直接コンタクトによって、さらに彼女の脳裏に頻繁に未来の記憶が呼び起こされるようになっていた。




そして、彼女はかなり先の未来で、愛するハンナへと謝辞を入れた「ヘプタポッドの言語について」と云う本を出版していることも理解した。その瞬間、ルイーズには完全にヘプタポッドの言語体系を習得したのだった。




ルイーズは、最終メッセージの総てを理解した。何とかして急いで中国のヘプタポッドの巨大UFOに対する核攻撃を止めなくてはならない。






都合よくルイーズに未来の体験フラッシュがやってきた。18ヶ月後、ルイーズは米国で開かれたヘプタポッドArrival以降の国際協力を取り交す国際会合で、中国のシェン上将と直接立ち話をする機会を得た。シェン上将は米国大統領に招かれても来るつもりは無かったが、ルイーズに会いに来たと告げられる。ヘプタポッドの巨大UFOに対し当に核攻撃を加えようとしていた直前に、ルイーズからシェン上将個人の携帯電話に直接電話があり、そこで他の誰も知らない筈の事・・・シェン上将の愛する亡き妻のダイイングメッセージを聞かされ、それが攻撃中止を依頼するルイーズの言葉の真実味を証明した。その事に感謝すると告げられた。広東語で妻のダイイングメッセージを聞かされたが、ルイーズはシェン上将個人の携帯電話番号を知らないと告げると、この番号を見せる為にシェン上将は渡米したと言い携帯電話番号を見せてくれた。








フラッシュが終わり現実に戻ると、彼女は外部への電話連絡の手段を探す。モンタナサイトの米軍基地は撤退準備中で有線電話は使えそうに無い。そこで置き忘れていた衛星携帯電話を使いシェン上将に電話を掛けた。基地内のオペレーター達に逆探知され、もう少しで殺されそうになるところだったが、偶然に来たイアンに時間稼ぎを頼み、何とかルイーズはシェン上将を説得し核攻撃を思い留まらせる事に成功した。








その時、世界12ヵ所のヘプタポッドの巨大UFOは静かに向きを変えると、その場で量子ワープして掻き消えた。全て終わったことを悟ると、イアンはルイーズにプロポーズして、ルイーズはイアンのプロポーズを受け入れた。将来イアンとは別れ、産まれて来る愛する娘ハンナを不治の病で亡くしてしまうことが分かっていたにも関わらず。




ルイーズは、最後に彼女の娘ハンナとイアン3人でいる記憶を懐かしく思い起こしていた。ルイーズとイアンは静かに抱き合うのだった。


0 件のコメント:

コメントを投稿