2020年2月26日水曜日

最近のマスコミは加害者より被害者を懲らしめる。

かつてマスコミの事件報道とは加害者を追うモノだったと思う。現代でも、韓国の刑事事件報道を垣間見ると被疑者の段階でも加害者とされた側への容赦ないマスコミの姿勢に驚く。それが良いか悪いかの論調は避けるが、疑わしきは罰せずの精神にも反するだろう。









我が国でも、昔々は事件名には犯人の名前が使われている事件が多く、事件取材は加害者側をクローズアップしていたと思う。それがいつの頃からか加害者への追求は止まり、何故か被害者や被害者の家族がマスコミに蹂躙される様になっている・・・と思う。










「ロス疑惑報道」に有った様な拘留されていない被疑者に過酷な取材合戦を多くのマスメディアが繰り返す様には驚いた。結果的に、三浦氏が犯人だったらしいのだが、連日連夜被疑者宅の前に延々と多くのメディアが張り付いて取材合戦を繰り広げるのは流石に行き過ぎでは無いかと思った。結果的に三浦氏が犯人だったからマスコミの勝利と喝采を叫んだのだそうだ。法治国家であるから、推定無罪の原則「何人(なんびと)も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」筈だ。もしマスコミが騒がなかったら三浦氏の犯罪は暴かれなかったカモ知れない、とは思うが、マスコミが犯罪を炙り出しアリバイ崩しを行っていく・・・午後の情報番組を観る人達を熱狂させたのだろう。










その後、加害者本人は拘留されている事が多く結果的に加害者の親・兄弟を含む親族を晒し者にして加害者とは別人格の家族を懲らしめるマスコミ報道が続いた頃も有ったが、加害者側の人権を尊重すべきだと弁護士がガードし始めた頃から、加害者側関係者への取材が難しくなった為、被害者側の取材に移行したという経緯なのだそうだ。













憲法21条の「表現の自由」として保障されている権利を、国民の知る権利だとして、マスコミは代理行使して被害者家族を追いかけ回し日本全国のお茶の間に晒し者にする訳だ。被害者の人生を暴き知られたく無かった過去を白日の元に晒し被害者として死した後に辱めを受けた事件報道も数限りなく存在する。










そして、傷の癒えない被害者家族の日常生活・人間関係・経済環境・名誉、場合によってはその家庭すらをも徹底的に破壊し尽くして、取材対象とした家族を再起不能の状態に追い込む、いわゆる「社会的抹殺」という状況に追い込んでゆく事態を引き起こすことがある。それは集団的過熱取材と云うかメディア凶乱だ。










今回の「COVID-19」関連でも、政府の対応、WHOの対応の不備を論っている内は良かったのだが、クルーズ船の周囲は各社がチャーターしたヘリコプターが飛び廻り、日本人乗客の家族や親類縁者まで取材合戦に血道を上げ半狂乱に大声で叫び回っている。勝浦ホテル三日月も然り、法務省の研修施設然りだ。









情報番組では、それこそ内容の無い連日報道され尽くした内容を連呼しているが、コレでも視聴率が上ってスポンサー受けが良いのだろうか?(又は、合間に流れるコマーシャルを有り難く思えてホッとさせられる心和む効果を狙っているのか?)








国民が欲する情報は断じて、現在報道されている様な内容では無いと思うのだが、皆さんは如何だろうか?優秀なマスコミ報道の皆様は、現在の報道内容が国民の知る権利とか云うモノを充足していると思っているのだろうか?そして、「COVID-19」事実上の市中感染が始まったらしいが、知らず知らずの内に感染していた方の個人情報が一人歩きをし初めてしまった。どこの誰が感染していたと多くの人が知りたいと思うのだろうが、報道ベースに一旦流れてしまった個人情報を秘匿に転じる事は不可能だ。但し、市中感染が始まった段階なので、その感染が判明した方の情報だけを追った処が意味がないだろう。又、高価で時間が必要なPCR検査の必要性は、重症者に限るべきなのカモ知れない。何故なら、咽頭部や上気道から感染が進むインフルエンザとは異なり新型コロナウイルス感染症では咽頭部や上気道より早く肺炎が発症している事が多く上気道を綿棒で擦って検体を採取する方法でのPCR検査では、感染から相当日数を経ないと検出されないと云われている。にも関わらずPCR検査陰性が伝家の宝刀の様に扱われてしまっている。だから、喀痰などの下気道由来検体が必要だが、特に早い段階での検査では知見不足からPCR検査自体の信頼性が疑わしい。だから、今後はPCR検査は重症者の確定検査のみに限定して、どうしても検査を求める方々に向けては(CT検査を含む)総合的診断の体制を急遽整えるべきだろう。そして今回の多くの国民の不安感を原動力に、かかりつけ医制度の普及拡充を進めるべきだろう。(今は新型コロナ・新型コロナとマスコミが大騒ぎしているが、全世界的な感染拡大を受けて恐らく来年以降新型コロナウイルス感染症は普通の風邪やインフルエンザ等の仲間入りをしているだろうと思う)








若者のTV離れが問題になって久しい。新聞より速報性が優れ、ラジオより視覚に訴える事で臨場感に優れるメディアの筈なのに、無価値な刹那的な情報を煽情的に垂れ流すだけのメディアになってしまっている。適当なコメンテーターに無責任なコメントをさせる位なら、現在のスマホ普及率から考えて双方向性を高めたメディアに進化すべきでは無いかと思うのだ。









プロデューサーの良心に委ねる一方的な報道ではなくTV報道を見ている視聴者の集団的良心に番組進行を委ねる21世期のTVのあり方へ移行すべきだと思う。東日本大震災後の連日連夜の報道でも悪酔してしまったが、手口が更に進化しただけに、こんな短期間で新型コロナウイルス感染症の報道はもうお腹一杯の気分にさせられてしまった。










視聴率獲得合戦の為に報道がバラエティ番組の技法を積極導入した結果、報道に於いてもTVの役割は終わったと考えるのは私だけなのカモ知れない。ならば、今のTV報道にお付き合いして視聴率への協力を惜しまないで欲しい。だが、今のTV報道のあり方に疑問を感じている方は「政治家や芸能人の不倫を追求」するよりもTV報道の望むべきあり方をマスコミに伝えてあげるべきでは無いだろうか?現時点に於いて、新型コロナウイルス感染症に感染なさった方々が被害者であると同時に、我が国日本全体が被害者としてマスコミに拠って懲らしめられている・・・懲らしめられる事に成りかねない自体に立ち至っていると思うのだ。








アジア圏の国々では日本のBS/CS放送が何故か広く見られているらしいが、多くの国々と同じく我が国でも季節性インフルエンザの致死率の方が脅威であるにも関わらず新型コロナウイルス感染症狂想曲を繰り広げている日本を観て、我が国日本は危険な国だと云うイメージを抱かれ易くスケジュール的にもオリンピックに大きな逆風が吹き荒れ、日本売りが進行するキッカケに為りかねない事実をTVキー局各位は強く認識すべきだ。国民生活に重要な情報を秘匿しろとは云う訳ではない。無意味な狂想曲を取り止めて、報道の正しいあり方に戻って欲しいと強く願う次第だ。

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