2015年6月22日月曜日

米 トランス脂肪酸 3年後までに禁止 NHKニュース

米 トランス脂肪酸 3年後までに禁止 NHKニュース:



私が子供の頃のマーガリン(人造バター)は本物のバターと比べて美味しくなく大嫌いだったのだが、植物性油脂なので健康に良いと喧伝されていた。で、止む無く我が家も健康の為に不味いマーガリンを使う様になった訳。

マーガリンは硬化油として常温では液体となっている油脂に水素付加(水素ガスを還元剤として化合物に水素原子を付加する反応)を行い常温で固形化させているのだが、その反応過程の副産物として生じるのがトランス脂肪酸である。尚、トランス脂肪酸摂取に伴うリスクとして指摘されているのは、主として虚血性心疾患(冠動脈の閉塞・狭心症心筋梗塞)の発症と認知機能の低下である。過去にも何度か、我が国でもマーガリンは健康に悪いとする市民運動が勃発したが、日本のマーガリン業界はトランス脂肪酸の害を減じる為にリノール酸を添加して対抗した。(余談だが、リノール酸は人体内では合成が出来ない為に食餌摂取するしかない。欠乏すると抜け毛や髪のぱさつきや創傷の治癒遅れと云う欠乏症が存在する必須脂肪酸なのだが・・・。実は過剰摂取するとアレルギー症状の悪化や大腸癌リスクを高めたり、全死因死亡リスク・心血管死亡リスク・冠疾病死亡リスクを上昇させるとも云われている。当に、トランス脂肪酸のリスクヘッジの為に加えられたリノール酸も悪玉だったって云う怖い話もある?)

リノール酸の摂取増加で死亡リスクが上昇飽和脂肪の代替として紅花油の摂取量を増やしたランダム化比較試験

2013/2/20(日経メディカル誌)



アメリカ食品医薬品局(FDA)が、マーガリンやショートニングに含まれる危険なトランス脂肪酸を3年以内に全廃することを発表するに至ったのは、イリノイ大学のフレッド・カマロー教授の60年間の闘いに依るのだそうだ。

トランス脂肪酸全面禁止のきっかけを作った100歳の老科学者とは?






こんなに怖いトランス脂肪酸・・・と云う事で、我が国でもマーガリンやショートニングは買わない使わないと云う事になるのだろうと思う。だから、人造バターであるマーガリンや人造油脂であるショートニングは止めて、本物のバターやラード(豚脂)やヘット(牛脂)を使う事になる事になっていくのだろうか?







因みに、我々が乳や肉を食用に供している反芻動物(牛・ヤギ・羊・鹿・ヌー・ラマ)にもトランス脂肪酸は一定割合(トランス脂肪酸に気を遣って作っている最近の国産マーガリンの3〜4倍)が含まれているので、ニュースを淺読みして代替品であるマーガリンやショートニングを本物に切り替えた方がトランス脂肪酸の摂取量が増えてしまうと云うオチが付く。そして、更に、不飽和脂肪酸が主原料であるマーガリンやショートニングから飽和脂肪酸である本物になる訳だから・・・コレステロールの摂取量は増えてしまう事になる。(但し、コレステロールを悪とする今までの健康医学は科学的に覆されつつあるのは事実だ)









やはり、欧米では禁止されつつあるトランス脂肪酸が我が国日本では野放しであると云う事は、我が国の対応の遅さを問題視し、政府と大手製造メーカーの不適切な癒着が原因だとするお決まりのストーリーに発展していくのだろう。健康厨の方にとっては、化学的に合成したトランス脂肪酸は健康に悪いが、天然のトランス脂肪酸は健康被害は少ないとなるのだろうか?必須脂肪酸であるリノール酸ですら・・・と云うより人体に不可欠な必須栄養素だって過剰摂取すれば害になると知るべきだ。パンが主食である国々と違い我が国は米が主食の国なので、米を主食として食っている限りに於いてトランス脂肪酸の害を問題視するには及ばない訳だ。









何よりも、米国に輸出しようとする食品メーカーは3年以内に対応が迫られる訳だ。真面目な日本のメーカーはトランス脂肪酸を減らす努力を重ねるのだろうけど、原料中及び製造過程の加熱中に発生する分をゼロには出来ないので、米国向けの製品はFDAが含有量を問わないラード(豚脂)やヘット(牛脂)を多用する事になるのだろうか?構造不況が進んでいるのだが、是非国内向けには日本式の真面目な努力を積み上げた従来型の製品を出荷して頂ける様に重ねて御願い致したい。


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