2014年8月30日土曜日

昨今の異常気象の原因

広島市北部の土砂災害に対して、馬鹿でも判る様に問題を平易化すべくマスコミは誰かを悪人にして槍玉に挙げようと試みてきた。土砂災害危険区域に大規模な住宅地を建設した昭和40年代の造成開発を悪としてみたり、広島市の避難指示発令遅れが悪いと決めてみたり、二転三転して、今では異常気象が悪となったらしい。マスコミが異常気象の原因としているのは、云わずと知れた人類文明が排出する地球温暖化ガスである。原発を全部止めて火力発電で急場を凌ぎながら・・・人類が発生削減を怠った炭酸ガスが原因だと云わんばかりである。

昨今の異常気象・・・従来は台風到来と云う判りやすい形での豪雨被害で人命を奪う悲惨な事象が発生していたが、今回は秋雨前線に沿って侵入した湿った南方海上の空気+例年より東に偏在した太平洋高気圧の周りを回って届けられたオホーツク海周辺の冷たい空気がピンポイントで出会ったと云う理論上は起こり得ても平年30年間では発生しなかった気象事象に因る甚大な人的被害の理由を、私如き素人に尋ねてくる方が多いので記事にしてみようと思い立った次第。

勿論、素人の妄想の域を出ない眉唾な原因究明である事を最初にお断りしておく。説得力のある本物らしい究明は、恐らく某放送協会がスペシャル番組等で行って下さる筈だ。

異常気象云々と叫ばれだしてから久しいが、何を以て異常と云うかだが、気象庁の呼ぶ処の「平年」との差違を根拠としているらしい。この「平年」と呼ぶのは昭和26年以降の気象データーの平均を以て作成されているらしい。その中でも「直近30年間の平年に対して著しい偏りを示した天候」を異常気象と定義付けされている。
地球温暖化と絡めて昨今の異常気象・・・約70年分の平均値の偏差範囲内から逸脱する事に危機感を煽っているのだろうが、そもそも、これだけ異常気象が続けば偏差範囲自体が広がっていくので、今日では定義とは離れて「荒天」や「その地域に住まう人間への不利益な天候」と云う意味合いで使われる事が多い様だ。
しかし、30年や70年と云う短いスパンで異常と呼ぶ程、気象変動に加わるファクターの変動は短い周期だけで変化している訳では無いので、歴史を繙く迄もなく、逆説的に直近の30年間なり70年間こそが「人間への不利益な天候」の頻度が少なかった異常気象だったと云う意見もある様だ。
地球温暖化の原因が人為的な二酸化炭素排出量の激増に因るとは私自身は思っていないが、海外渡航歴の無い埼玉県の女性が70年ぶりに国内でデング熱に感染したとする報道を見ても、国内随所でマダニ媒介性感染症の発症が報告され、熱帯域に分布するセアカゴケグモの国内越冬が確認されるに至っていて、地球温暖化が着々と進行中である事実を疑う事は出来ないだろう。



こうして2000年間のスパンで切り取れば寒冷化傾向に振った中世から、産業革命を経て人為的に放出した温室効果ガスに依って地球温暖化が進んでいる風に見えてしまうのカモ知れない。

私は、地球温暖化の最大の原因をミランコビッチ・サイクルと思っている。ミランコビッチ・サイクルは、地球の公転軌道の離心率の周期的変化、自転軸の傾きの周期的変化、自転軸の歳差運動という3つの要因により、地球への日射量が変動する周期である。


19000年周期22000年周期24000年周期の地球の自転軸歳差運動の周期的変化(Precession)
41000年周期の地球自転軸の周期的変化(Obiliquity)
95000年周期・125000年周期・4000000年周期の地球公転軌道離心率の周期的変化(Eccentricity)
北緯65度の夏の日照量(Solar Forcing)
氷河期の段階(Stages of Glaciation)

上記グラフは、時間軸がkyr(K年=1000年)単位で、右から左と見慣れる判りにくい表記なのだが、これが指し示した現在(Now)は、地球の気温上昇期末期だと判る。この数千年後には何段階かの段階を経て氷河期へ突入していく事も予想に容易い。

詳しくは、Wikiミランコビッチ・サイクルを読んで頂きたいが、こう云った数万年規模の3つの周期的変動が複合された日照量の変動が、今日までの地球温暖化・寒冷化の大きな要因になっていた事は事実だろう。そして、更に1920年代の科学的知見以上の太陽活動にも様々な周期の変動がある事が判り始めていて、太陽や月と地球との関係性といった物理的な条件の他にも、当の太陽自身の活動周期も気候変動に大きな影響を及ぼしている事は疑う余地は無いだろう。それは、熱源としての太陽の活動周期と云う意味合いの他にも、太陽活動が下がり太陽風が弱まると銀河放射線が強まり、雲の発生が促進され曇天や降雨降雪傾向が強まる等の周期的な変動が周期的な影響を及ぼすのだ。そして、それに加えて、周期的では無い突発的な要素として巨大隕石の衝突が挙げられる。火山活動も突発的な要素と思いがちだが、最新の研究では上で気候変動に影響を及ぼすファクターに挙げた太陽活動の周期が大きな影響を及ぼしている事が判り始めている。そして、無視出来ないのが大洋深層海流を含めた全地球規模の海流の動向だろう。

今日の異常気象の原因としてIPCCの槍玉に挙がっている人類文明が放出した温室効果ガスが原因なら下グラフのようにIPCCが警告した気温上昇の予測とは全く異なる気温上昇を辿っている理由は、IPCCが掲げた地球温暖化モデルが破綻していると云わざるを得ない。IPCCは、今日の地球温暖化の原因の93%が、人類由来の地球温暖化ガスの影響だと言い張り、その他要因(太陽活動やミランコビッチ・サイクル)の影響は7%程度だと強硬に主張し続けている。


断じて、そんな事は無いだろう。ミランコビッチ・サイクルも地球気温は極大期に向かっている現在、影響は僅かな人類由来の地球温暖化ガスの影響を加えて最近100万年では最大の気温上昇となり地球上の生命に甚大な被害を与えるカモ知れない。今後激しさを増すだろう地球温暖化は、人類全体への脅威であり人類共通の課題であり人類全体で乗り越えていくべき試練である筈だ。その前で、似而非科学を振り回して問題の重大性を過小評価させようと考えているのだろうか?

太陽活動には、観測される黒点数から有史以前から判明していた約11年周期の変動が知られている。現在のサイクル24は既に極大期を終えたとされ、サイクル24は前回のサイクル23に引き続き太陽活動が低下している事が判っている。サイクル24の太陽活動は、最近の100年で最も弱いのだ。


この太陽活動の低下が昨今の異常気象の原因だと私は思っている。太陽活動の動向は観測される黒点数でも現されるとする学説から、過去400年間の黒点数の観測データを参照すると、恰もロウソクの炎が揺らぐように太陽活動にも揺らぎがある事が判る。



こうして、現在のサイクル24は、過去にも有った太陽活動が低迷したマウンダー極小期やドルトン極小期の様に太陽活動が低迷期に入った事を示しているのカモ知れない。太陽活動が低迷している事こそが、今日の異常気象の原因では無いかと云うのが今回のネタである。私は、太陽活動が地球の気象に及ぼす影響は人類由来の温室効果ガスよりも大きいと考えている。


太陽活動の変動は地球の気候に影響を与えていると考えられるが、太陽の変動と地球の気候の間の関係を直接量的に証明するのは非常に難しく現在も研究が続いている。IPCCが太陽活動の変動が地球の気候変動に与える影響を過小評価している最たる理由が、太陽活動が低迷しても太陽から受ける熱量が減少しないからと云う観測的事実である。

これには別ブログ過去記事に於いて、私は素人ならではの仮説を立てている。炎の燃焼が低迷すると青色の炎が赤色の炎になる場合があるが、巨大な核融合炉である太陽活動が低迷したとしても放射されるエネルギーの中での赤外線や可視光線の量が減るとは限らないのでは無いか・・・と思うのだ。太陽の中心コア(直径20万Km)では、1秒毎に3.6 ×1038  個もの莫大な数の水素原子核がヘリウム原子核に変化し続けていて、これによって1秒間に430万トンの質量が3.8 ×1026 Jの莫大なエネルギー(TNT火薬換算で9.1 ×1016 トンに相当する)が発生しているとされている。そのエネルギーの大部分はガンマ線に変わり、一部がニュートリノに変わる。ガンマ線は周囲のプラズマと衝突・吸収・屈折・再放射などの相互作用を起こしながら次第に「穏やかな」電磁波に変換され、数十万年かけて太陽表面にまで達し、宇宙空間に放出されている。つまり、今日我々が目にする太陽の光と熱は数十万年前の核融合反応に因って発生したガンマ線が変化したエネルギーの一部分に過ぎない。今日の我々の観測の中で太陽活動が低迷しているとしても、それは数十万年前の核融合活動の変動の結果なのだ。そして、例えエネルギーレベルが低下して発生するガンマ線が変動しても、青い炎が赤く変わる様に・・・太陽表面から放射される広帯域の電磁波全体としてのスペクトルが変わる事が有り得るだろうけど、その中の狭いバンドである赤外線領域と可視光線領域には大きな変動は見られないのだ・・・と思っている。(尚、怖い話だが・・・、太陽中心核で行われている核融合活動に伴い発生するニュートリノは数十万年も要さず約500秒前の活動を教えてくれている。理論値より遙かに少ないニュートリノしか観測されない事で、過去何度も太陽中心核での核融合反応の理論モデルを組み換えてきたモノの、更にニュートリノ振動を考慮に入れても、理論値よりも少ないニュートリノしか観測されない事から、恐らく10万年後の我ら地球が太陽から受け取る熱と光は大幅に減っていると予測されている。これは我々人類の科学水準では、我らの主星であるG型恒星についての知見が不足しているのカモ知れない。太陽の推測年齢は約46億年で、中心部に存在する水素の50%程度を熱核融合で使用していて、主系列星として存在できる期間の半分を経過したとされている。だがしかし、そもそも知られていた通り、我らの太陽の中心核はppチェイン熱核融合を継続するには温度が低すぎるとされていたが、量子的トンネル効果が助けているとされ、pp1/pp2/pp3の分岐確率から月面上に吹き付けられた太陽風によるヘリウム3の含まれる量が理論値より少ない事から、我々のppチェイン熱核融合理論には若干の齟齬があると考えられている。その事は、飛来するニュートリノをエネルギー量別に比べる事でpp1/pp2/pp3の分岐比が明らかだからだ。)

ここでは、太陽活動が低迷期に差し掛かっているけれども赤外線領域と可視光線領域でのエネルギー量は減っていないモノと仮定して話を進める事にする。こう仮定すると太陽黒点の観測数が少なかった時期=太陽活動が低迷な時期として、小氷河期が到来したとされるマウンダー極小期等との矛盾を来すと思し召されるカモ知れない。マウンダー極小期に於いて、地球が太陽から受け取っていた熱量は1%程度しか減っていない事が明らかになっている。だから、太陽自体が放射する熱量の減少が直接的な理由では無いと思うのだ。

太陽活動が低迷すると太陽風も弱まるのだが、太陽風が弱まると太陽風と地磁気の相乗効果で発生したヴァン・アレン帯の密度が下がり、ヴァン・アレン帯が退けていた銀河宇宙線の地球への到達率が高まると云われていて、その事で雲の発生が促進されゲリラ豪雨等に代表される異常気象を招いていると云う仮説がある。マウンダー極小期の際は、低緯度での雲の発生が促進され雲に遮られて日照量が減少する為に小氷河期に突入したのでは無いかと云う仮説である。

銀河宇宙線(Galactic cosmic rays; GCR)とは、太陽系外から飛来した高エネルギー荷電粒子であり、陽子電子、完全にイオン化した軽元素の核からなり、地球大気中において宇宙線による核破砕の強力な発生源となっている。太陽からもフレアコロナ質量放出(CME)の際には放出されるが10年間で12%程度の発生確率とされている。(前回は2012年7月に巨大な太陽フレアが地球近傍を通過したが離れていたので被害は無かった)大気中の雲の生成に影響を及ぼす銀河宇宙線とは、軽元素の核(原子核)そのものでありこれが大気中で水の雫の核となり雲を生成するとされていて、それが低高度で発生すると日照を遮り気温が低下しゲリラ豪雨と云った局所的な集中豪雨の原因となり、高高度で雲を発生させると地球の熱を蓄え温室効果を発揮し気温上昇を招くのだそうだ。

私は、昨今の異常気象の原因とは、太陽活動の変調にあると考えている。何れにしろ、2000年の太陽活動サイクル23の極大期から、それまでの平年と云う30年間とは異なるステージに突入したのだと思う。世紀末は終末では無かったと全世界でホッとしたのだが、実は人の寿命より遙かに長い太陽活動周期に於ける一過性の極小期に突入したのか、今後は太陽活動自体が低迷の一途を辿るのかも知れないのだが今の我々人類には知る由も無い。勿論、そんな事は全くの杞憂で、次回サイクル24からは従来通りの元気な太陽に戻るのかも知れない。だが、当分は最近の30年・70年には起きなかった異常気象だとする気象災害が次々と発生する恐れが高い事は想像に容易い。昨日の記事にも書いた通り、自分と自分の家族に相応しい「命を守るための最善の行動」について日頃から考察を深めておくベキだ。


後世の我々の子孫に少しでも多くの化石燃料を温存する為に、全世界で協力して炭酸ガスの排出量を制限していく取り組みには意義があると思う。だが、それに対する説明がIPCCの地球温暖化予測モデルでは、正常な思考力をもった大人を欺し通せるとは到底思えない。IPCCは人類科学の無知蒙昧を恥じず、人類が初めて遭遇する大規模な気象変動に対して、謙虚に予測不能を発表すべきだ。風が吹けば桶屋が儲かるのカモ知れないが、桶屋を儲けさせても風を吹かせたり吹かせなかったり出来る訳では無い。今日のIPCCの有り様は、桶屋を儲けさせる為の御用学者でしかない・・・と思う。

もし、IPCCの見解通りに産業革命以降に人類文明が排出した温室効果ガスの蓄積が今日の地球温暖化を招いていて、その人為的な地球温暖化の為に今日の異常気象が起きていて、人的被害が頻発しているのだ・・・とすれば、現実問題として人類文明由来の温室効果ガスを大幅に削減する具体的方策は、南北問題の解決に等しく従来の国同士の枠組みの中では恐らく達成できないだろうと思う。だが、この眉唾な説を信じ急進的に解決を進める途は戦争しか無い。我々未熟な地球人類が、共通の課題を協力して克服する為には、似而非科学的な「政治的に正しいおとぎ話」では駄目なのだが・・・


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