気象庁|地震情報:(平成25年11月19日04時11分頃の地震 )
この震源地は遠州灘(北緯34.4度、東経137.1度)、震源の深さは約350km、地震の規模(マグニチュード)は5.7であった。震源の深さは約350kmだから深発地震である。深発地震とは文字通り地下深いところで発生する地震の事だが、多くは、比重の軽い大陸プレートの下に潜り込む比重の重い海洋プレートのプレート内部で発生するスラブ内地震だと云われている。
だが、今回冒頭で引用した地震は、震源の深さは約350Kmと深く間違いなく深発地震であるのだが、震度分布には素直に肯けないモノが在る。それは、震源地よりも震源地を遠く離れた場所で震度が大きくなるという現象であり、これを異常震域と呼ぶ。この異常震域のメカニズムは既に多くの可能性が論じられている。恐らく、その多くの可能性の大部分が、それぞれ個別の異常震域のメカニズムを説明しているのだと思っている。
今回の震域の大部分が載っているのが北米プレートなのか、起源は北米プレートなのかも知れないが既に分離し独立したオホーツクプレートなのか、以前から議論されてきた。だが、3.11後の解析や、その後に頻発した余震、及び、カムチャッカ半島周辺域での過去からの地震解析から・・・今日までの主流派の考えである東日本が載るのは北米プレートであると云う考えより、独立したオホーツクプレートであると考えた方が辻褄が合うと云われ始めている。このオホーツクプレート仮説では、北米プレートとはトランスフォーム断層であるウラハン断層で分かたれ、東からは太平洋プレートが潜り込んでいて、西はアムールプレートとユーラシアプレートと接している。そして、南側は、駿河トラフを挟んでフィリピン海プレートと接しているのだが、その海洋プレートである筈のフィリピン海プレートの下に太平洋プレートが潜り込みつつフィリピン海プレートは西日本が載るユーラシアプレートの下に潜り込んでいる。
この遠州灘は東海東南海南海地震予知に於ける「アスペリティD」と呼ばれている地域で、ここの深さ350Kmに在るプレートは、太平洋プレートである。
だから・・・太平洋プレートのスラブ内地震だったので、太平洋プレートの沈降スラブ沿いに揺れが伝わり、その揺れが首都圏直下のマイクロプレートを伝わりオホーツクプレートに抜けた・・・と成るのだろうが・・・。
ユーラシアプレートの深さはどのくらい?例えば熊本では。熊本の地震は地下10キロが震源って、どこ?
返信削除こんにちは!貴コメントに気がつくのが遅れて暫く放置してしまい御無礼致しました。
削除さて・・・、ユーラシアプレートに限らず大陸プレートの厚みは凡そ30Kmと言われています。因みに、熊本県辺りでのフィリピン海プレートの深さは凡そ地下100Kmです。
尚、「陰謀」好きな方々は、震源の深さが10Kmで揃っている事から人工地震説を唱えておられますが、震源が10Kmで揃っている風に見えるのは気象庁の速報値が「ごく浅い」の次は「10Km」、そして次が「20Km」と10Km単位だから・・・ただそれだけです。実際の震源の深さは3Kmや5Kmや6Km・・・とまちまちでジャスト10Kmの奴もあるけど、速報値を鵜呑みにするなんて陰謀説を唱える方々は未だ未だ「青い」って感じですか?
阿蘇カルデラや姶良カルデラ(桜島)のラインではフィリピン海プレートの深さが60〜70Kmで、このラインを火山フロント(火山前線)と呼びます。詳しい説明は避けますが、この火山フロントでは海洋プレートの含まれる水分が超活性化して岩石が超溶融した物がマグマとなって上昇します)
熊本市、益城町周辺の10Kmより浅い地下は、 約26.6万年前のAso-1火砕流、約14.1万年前、約13万年前と約9万年前のAso-4火砕流と云った阿蘇カルデラの破局的噴火に伴う火砕流がパイ皮の間に水成や火山灰等の火成堆積物のクリームが重なったミルフィーユ構造をしているので、別府‐島原地溝帯で南北に引き千切られていく際にも、パイ皮毎に亀裂が入って割れていくと云う阿蘇山熊本市側特有の地形地下構造により他の日本での地震学的知見が及ばないのだと思います。
> 例えば熊本では。熊本の地震は地下10キロが震源って、どこ?
Aso-1,Aso-2辺りの火砕流帯だと思います。
尚、今後数万年で九州は 別府-島原地溝帯で南北に分かれ、瀬戸内海の延長の浅い海が形成されます。話題の中央構造線沿いの内陸直下型地震も勿論近い内には発生するでしょうね。但し、それは地球の時の流れでの近い内なので、明日かも知れないし百年後かも知れません。
我々人類は地球規模の天変地異に対抗する手段は持たないので、大震災に襲われても自らと家族と隣人の命を守る為に備えるしかありません。お互いに気をつけましょうね。