2013年11月8日金曜日

我々の子孫は、我々より劣っているのか?

西暦とは、イエス・キリストが生まれたとされる年の翌年を紀元〔元年)とした紀年法である。つまり、旧約聖書の登場人物達が生きたのはBefore Christ(B.C.)である紀元前となる。因みに、紀元後の西暦を表すA.D. (Anno Domini)とはアンノドミニ・・・「神(我が主)の後」と云うラテン語である。キリスト生誕を機に新しい紀年が行われイエス歴とした背景には、それ以前には、別の「神の子」の暦があったと推察できる。それがアダム歴だ。

アダム歴ではアダムが生まれたとされる年の翌年を紀元とする訳なのだが、その創世を表した旧約聖書で書かれた時代の人類は非常に長命だったとされている。神の子アダムは、神々(*:脚注)との契約に違反し堕落し追放されたが雲孫(うんそん:8代目の直系の子孫)の誕生まで930年間生きていたのだそうだ。この傾向は、大洪水を箱船で生き延びたノア950歳での死去を境に急速に寿命を短くしていってしまう。ノアの3人の子供達、白人種のヤペテ、黒人種のハム、黄色人種のセムの内、黄色人種の祖先であるセムは602歳で死去した。セムの子アルパクサデは438歳で、その曾孫ペレグは239歳、その曾孫ナホルは148歳である。この頃がイエス歴紀元前何年頃なのかは諸説在りチョット判らないが偶さか僅か10世紀ほどで更に劣化が進んで人は100歳まで生きられる事が稀に成っていた。こうして聖書の登場人物達を見ると神の子として造られた頃から子孫へ下る程、(生命の樹から遠ざかった性か?)肉体は劣化していったのだろう。

イエス・キリストの前の神の子である堕落者アダムが犯した原罪とは、食べると死んでしまうと神々*に禁じられた「善悪を知る知恵の樹の実」を蛇に唆されたイブが食べ、イブに勧められてアダムも食べてしまった事、そして、神々*の命令に背いた罪を自覚し自らの落ち度として悔い改めず、アダムはイブに、イブは蛇に責任転嫁して言い逃れようとした事で、神々*は落胆し人を楽園から追放したとされているが、実際は後述する事情で追放せざるを得無かったのだと思うのだ。そして、女には産みの苦しみと夫からの支配を、男に対しては苦しんで地から食物を採る事と死して土に返る事を預言された訳だ。

この善悪を知る知恵の樹は、エデンの園の中央に在った2本の木の内の1つ。もう1つは生命の樹であり、これを食すと生命の実(S2機関?)が体内に生じ神々*に等しき永遠の命を得るのだそうだ。この善悪を知る知恵の樹の実を食べると、神々*に至る善悪の知識を得るのだそうだ。人が、エデンの園を通報された理由は、「善悪を知る知恵の樹の実」を食べた人が、引き続いて「生命の樹の実」を食べてしまうと・・・人が神になってしまう事を神々が恐れたからだとされている。(つまり、日曜日の朝に自宅にも回ってくるエホバの証人の方々が説かれる・・・死しても復活する神の王国はエデンの園では断じて無い事になる。「善悪を知る知恵の樹の実」を食べた子孫が「生命の樹の実」を食べる危機を神が想定していない筈が無いからだ。恐らく、地球上にある神の子イエスが統治する独裁専制国を想定しているのだろう)尚、諸派では「善悪を知る知恵の樹の実」を「禁断の実」として、不法や不道徳や有害な快楽への耽溺を表すメタファーとする向きが多いが、神々の知恵の源が不法や不道徳や有害な快楽である筈が無い(と、信じたい)。

地上に下ってから人々の寿命は急速に短くなってきたが、「善悪を知る知恵の樹の実」に因って得られた知恵(科学力?)で、先進国を中心に、再びイエス・キリストの頃より人々の寿命は大幅に伸びてきた。この事は主に食料の増産と安定供給が成し遂げた事だろうが、急速な平均寿命の伸長は他に医学の進歩の影響が大きいだろう。農業技術・医学技術以外にも我々人類の科学力は、徐々にではあるが神々にも至る道を遅々と登っているのだと思う。

ここまでが毎度の如くの長〜い前置きだ。

今後、我々の子孫は、今日を生きる我々以上の知恵(科学力?)を獲得していくのだろうか?それとも、衰退していくのだろうか?

地球温暖化モデルを説く際、脱原発を説く際〔特に、核燃料廃棄物の処理を説く際)、我が国の政府の借金(国の借金では無いので念の為)解消を説く際、ニュースキャスターが必ず付ける一種の枕詞が「未来の子供達に負債を残すべきではない」「後世の我々の子孫に負債を残すべきではない」等々である。この考え方の背景には、二世代ローン(親子リレーローン)的な考えがあるのだろうが、その親側の意見なのだと思う。

地球温暖化は人類の排出する温室効果ガスが原因なのか否かは私には判らないが、クリントン元大統領は「これを人類の排出する温室効果ガスが原因だと仮定して削減努力を金に換える『ごっこ遊び』を始めませんか?」と提案したのだが、マジメな考え方のEUでは単なる「ごっこ遊び」から大きく逸脱してしまった。が、勿論EU圏内でも温室効果ガス削減に関する金融市場は急速に加熱している。更にマジメな考え方の我が国では金融市場での台頭もなく実現不可能な削減目標を前に自責の念に駆られている始末だ。

核燃料廃棄物の処理に於いて我が国は10万年を安定的に保管する立地が無いと云う問題だが、別記事でも書いたが高レベル放射性廃棄物に高速中性子をぶつける事で半減期を大幅に短縮する技術もあり高速中性子を使う新しい原子炉への投資が必要な時期に来ているのだが・・・。

日本の政府の借金・・・については・・・、少子高齢化と人口減少を前にお先真っ暗感があるが、これは日本国の借金では無く政府の借金なので、実は大騒ぎする問題とも言い難いのカモ知れない。

タダ、何れにしろ、今世代の社会を動かして居るお歴々の頭の中に、これらの問題に対する上手い解決策が無い事イコール将来の我が国の社会を動かす偉い人々にも解決できないだろうと云う・・・社会全体の雰囲気が形成されているのだろう。今の社会を動かしている偉い人々は、我々の子孫世代の輩出する偉い人々より優秀だと云う事を宣伝しているに過ぎないのだと思う。

勿論、何をやっても将来の科学力で帳消しに出来るとは思えないので、今世代の社会を動かして居るお歴々にも善悪を考えて慎重にやって欲しいが今世代で出来ない事は将来の世代でも出来ないと決めてかかるのが正しいとは思えない。もしも、それが正しいのなら、今後の教育方針として頭の良い人々を創り出さない様な教育を意図的に施すとか、頭の悪い人々が社会を動かす様な社会の仕組みを造っていると、今世代の社会を動かして居る偉い人々には判っているからに他ならないだろう。

我々日本国民を、今後は衰退に導くレールに「今世代の社会を動かして居る偉い人々」が乗せているので、「未来の子供達に負債を残すべきではない」「後世の我々の子孫に負債を残すべきではない」と云う論調なのだろうか?

だとすれば、「今世代の社会を動かして居る偉い人々」に因る我が国国家衰退への体制を打ち壊して、今日の我々の窮状を救ってくれる優秀な子孫を生み出す社会に、創り出す教育に、代えていくべきではないのだろうか?

(*:脚注) 一神教だとされるキリスト教なのに「神々」と云う表現を使ったのは、御名がヤハウェ・エロヒム="神々の中の御1人で在らせられるヤハウェ様"と聖書に書かれているからだ。エロヒムは複数形であり、神が御一人なら単数形のヤハウェ・エ—ル="神であるヤハウェ様"という御名で在らせられるだろう。キリスト教の神はヤハウェ様1人なのだろうが、ヤハウェ様には仲間の神様達がいらっしゃった様だ。

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