2013年11月25日月曜日

深発地震

気象庁|地震情報:(平成25年11月19日04時11分頃の地震 )


この震源地は遠州灘(北緯34.4度、東経137.1度)、震源の深さは約350km、地震の規模(マグニチュード)は5.7であった。震源の深さは約350kmだから深発地震である。深発地震とは文字通り地下深いところで発生する地震の事だが、多くは、比重の軽い大陸プレートの下に潜り込む比重の重い海洋プレートのプレート内部で発生するスラブ内地震だと云われている。

私の地元である岡山県近くで発生したとされるスラブ内地震は1905年や2001年に発生した芸予地震である。勿論、この芸予地震の震源域では1649年1686年1854年1857年1905年2001年と云う風に地震が続いてきていた。この芸予地震のメカニズムは、山陽地方が載るユーラシアプレートの下に高知県沖の南海トラフからフィリピン海プレートが潜り込んでいるのだが、そのフィリピン海プレートの内部で起きる地震が、何故か同じ震源域で発生していると云う訳だ。古くは愛媛県側の被害が大きかったが、直近2回では広島県側の被害が多かった事から震源域が移動していると思われる。これは・・・私の〔勝手に)想定しているオルゴール・メカニズムでの起震説では、芸予地震の震源域周辺で大陸側プレートの裏に何か(潜り込み損なったフィリピン海プレートの破片等)が挟まっていて、この部分で単に潜り込んでいくだけのフィリピン海プレートが引っ掛かって局所的に変形応力を溜めていて、それが定期的に解放されているのだと思われる。過去2回の発震間隔から何かの傾向を読み取ろうとするのは愚の骨頂だが、素人目には挟まっていた何かは下流方向に少し流れたので、次の芸予地震の発生する間隔は広くなっていくと思われる。これら芸予地震はスラブ内地震だと云われているが震源の深さは約50Kmと浅いので、地震の震度や被害は震源域周辺に集中している。そもそも、深発地震・・・と云うかスラブ内地震は特定の発生域で継続して起きることが知られているので、その震源域には何か特別の状況が存在するのだと予測されている。偉い学者の先生は、これが何かを断言する事が出来ないのだろうが、素人の気安さで私は、その原因を割れ残った海洋プレートの破片説を以前から着想している。

だが、今回冒頭で引用した地震は、震源の深さは約350Kmと深く間違いなく深発地震であるのだが、震度分布には素直に肯けないモノが在る。それは、震源地よりも震源地を遠く離れた場所で震度が大きくなるという現象であり、これを異常震域と呼ぶ。この異常震域のメカニズムは既に多くの可能性が論じられている。恐らく、その多くの可能性の大部分が、それぞれ個別の異常震域のメカニズムを説明しているのだと思っている。

今回の震域の大部分が載っているのが北米プレートなのか、起源は北米プレートなのかも知れないが既に分離し独立したオホーツクプレートなのか、以前から議論されてきた。だが、3.11後の解析や、その後に頻発した余震、及び、カムチャッカ半島周辺域での過去からの地震解析から・・・今日までの主流派の考えである東日本が載るのは北米プレートであると云う考えより、独立したオホーツクプレートであると考えた方が辻褄が合うと云われ始めている。このオホーツクプレート仮説では、北米プレートとはトランスフォーム断層であるウラハン断層で分かたれ、東からは太平洋プレートが潜り込んでいて、西はアムールプレートとユーラシアプレートと接している。そして、南側は、駿河トラフを挟んでフィリピン海プレートと接しているのだが、その海洋プレートである筈のフィリピン海プレートの下に太平洋プレートが潜り込みつつフィリピン海プレートは西日本が載るユーラシアプレートの下に潜り込んでいる。

この遠州灘は東海東南海南海地震予知に於ける「アスペリティD」と呼ばれている地域で、ここの深さ350Kmに在るプレートは、太平洋プレートである。




だから・・・太平洋プレートのスラブ内地震だったので、太平洋プレートの沈降スラブ沿いに揺れが伝わり、その揺れが首都圏直下のマイクロプレートを伝わりオホーツクプレートに抜けた・・・と成るのだろうが・・・。

当ブログ過去記事『2013年9月4日水曜日 今朝の地震』の時の地震もそうだが、何だか東日本大震災以降東日本が載っているオホーツクプレートは揺れやすく成っているのだろうか?

2 件のコメント:

  1. ユーラシアプレートの深さはどのくらい?例えば熊本では。熊本の地震は地下10キロが震源って、どこ?

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    1. こんにちは!貴コメントに気がつくのが遅れて暫く放置してしまい御無礼致しました。

      さて・・・、ユーラシアプレートに限らず大陸プレートの厚みは凡そ30Kmと言われています。因みに、熊本県辺りでのフィリピン海プレートの深さは凡そ地下100Kmです。

      尚、「陰謀」好きな方々は、震源の深さが10Kmで揃っている事から人工地震説を唱えておられますが、震源が10Kmで揃っている風に見えるのは気象庁の速報値が「ごく浅い」の次は「10Km」、そして次が「20Km」と10Km単位だから・・・ただそれだけです。実際の震源の深さは3Kmや5Kmや6Km・・・とまちまちでジャスト10Kmの奴もあるけど、速報値を鵜呑みにするなんて陰謀説を唱える方々は未だ未だ「青い」って感じですか?

      阿蘇カルデラや姶良カルデラ(桜島)のラインではフィリピン海プレートの深さが60〜70Kmで、このラインを火山フロント(火山前線)と呼びます。詳しい説明は避けますが、この火山フロントでは海洋プレートの含まれる水分が超活性化して岩石が超溶融した物がマグマとなって上昇します)

      熊本市、益城町周辺の10Kmより浅い地下は、 約26.6万年前のAso-1火砕流、約14.1万年前、約13万年前と約9万年前のAso-4火砕流と云った阿蘇カルデラの破局的噴火に伴う火砕流がパイ皮の間に水成や火山灰等の火成堆積物のクリームが重なったミルフィーユ構造をしているので、別府‐島原地溝帯で南北に引き千切られていく際にも、パイ皮毎に亀裂が入って割れていくと云う阿蘇山熊本市側特有の地形地下構造により他の日本での地震学的知見が及ばないのだと思います。

      > 例えば熊本では。熊本の地震は地下10キロが震源って、どこ?

      Aso-1,Aso-2辺りの火砕流帯だと思います。

      尚、今後数万年で九州は 別府-島原地溝帯で南北に分かれ、瀬戸内海の延長の浅い海が形成されます。話題の中央構造線沿いの内陸直下型地震も勿論近い内には発生するでしょうね。但し、それは地球の時の流れでの近い内なので、明日かも知れないし百年後かも知れません。

      我々人類は地球規模の天変地異に対抗する手段は持たないので、大震災に襲われても自らと家族と隣人の命を守る為に備えるしかありません。お互いに気をつけましょうね。

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